香露 純米吟醸
株式会社熊本県酒造研究所 熊本県
「香露」はもともと
県内の酒造技術の向上のために設立された研究所で、
現在の蔵は大正11年に建てられたものです。
明治42年(1909年)、
熊本酒の主だった赤酒から清酒への切り替えの必要性が高まり、
県内生産者が力を合わせて酒造研究所を設立したのが始まりです。
大正7年(1918年)に株式会社とし、
翌年、のちに社長となり「酒の神様」と称されることになる
野白金一氏を技師長として迎えました。
以降、酒の品質はめざましく向上し、
各種品評会や鑑評会で全国一位もたびたび獲得。
麹室の「野白式天窓」の考案や「野白式吟醸造り」を築きあげ、
のちに協会9号酵母として頒布されることになる
吟醸用「熊本酵母」の開発など、
全国の高級酒ブームに大きく貢献しました。
ですから、
ここから吟醸酒の歴史が始まったと言っても過言ではありません。
熊本酵母のなんとも落ち着きある穏やかな香りと、
余韻のある特有の風味は、
阿蘇の伏流水と厳選された米にこだわり、
伝承の技と心を受け継ぐ卓越した杜氏だけが醸せる
逸品中の逸品と言えるでしょう。
フレッシュ感溢れるお酒もいいが、
いわゆる『枯れた』落ち着きある上品な日本酒の良さ、
その良さを存分に味わえる1本です。
・・・・ですって
使用米:山田錦
精米歩合:50%前後
日本酒度 :±0.5
酸度 :1.6
アルコール度:15~16%
<テイスティング>
外観:ほんのりごく薄いレモンイエロー 輝きがある 粘性中等度
香り:控えめな香り メロン アルコール ハーブ
味わい:アタックはマイルドで
テクスチャーは滑らかな中にも
ぴりぴりとしたアルコールの刺激を感じる。
柔らかな甘さ、控えめな酸、軽やかな苦味と
比較的あっさりとした味わいが口内をすり抜けるが、
そのあと尻上がりにふくよかな旨みが口内を支配する。
フレーバーはメロンの風味とアルコールの揮発を感じ、
余韻は中等度からやや長めでアルコールの温かさと甘み、
軽い酸味と苦味を感じるがアルコールの揮発とともに
スッとキレがよいフィニッシュとなる。
サンプルの特徴:
落ち着いた華やかさを持つお酒である。
ほんのり立つメロンの香りとさらりとした飲み口は
女性的でもあるし、
比較的強めに感じるアルコールには
爽やかで男性的なニュアンスも感じられる。
爽酒と薫酒の中間的な位置づけと思われるが、
香りのよいお酒として薫酒的な要素が強めとしてよいであろう。
適したシーン:
男性的な要素と女性的な要素を併せ持つお酒なので
男女を問わず、
日本酒を飲み始めてそろそろ日本酒の良さが分かってきた人に
お勧めしたい。
となると、年齢的には30代以降ということになろうか。
軽めの飲み口なのでお食事にもあわせやすく、
お料理メインのお店で食中酒として飲用するのももちろんいいが、
日本酒バーのようなところで日本酒をメインにして
酒肴をつまんだり軽いお食事をしたりと
この落ち着いた華やかさを持つ、
いわば大人のお酒を味わっていただきたい。
飲用に適した季節は、特に選ばないが、
強いて言うならやはり爽やかなお酒なので春先から晩夏までを
挙げたい。
飲用温度:8~15℃
軽やかな飲み口のお酒なので冷酒で爽やかに飲用したい。
アルコール感が強めなので
冷すことでその刺激要素を押さえ気味にして
飲みやすさを出したい。
控えめな香りが生かされるよう、
余り冷し過ぎない程度の温度がよいであろう。
適した器:爽やかな飲み口の冷酒ということで、
それが生かされるような器を選びたい。
素材はガラスまたは磁器で、
温度があまり変わらないうちに飲みきれるよう
指3本で持てる程度の小ぶりサイズのものがよいであろう。
形状は控えめな香りを少しでも多く楽しんでもらえるよう
香りがこもりやすい、
ワイングラスのように口がややすぼんだ物が望ましい。
相性のよい料理のイメージ:
爽やかに飲用したいお酒なので
料理の素材も調理法もシンプルなものがよいであろう。
しっかりとした食事とあわせるなら前菜とともに、
お酒をじっくり味わうなら軽めの酒肴的なお料理とともに
楽しみたい。
和食:白身魚のお造り(岩塩)、カニの洗い、おぼろ豆腐、
白身魚の酒蒸し、蕎麦、さつま揚げの炙り
洋食:白身魚のカルパッチョ、サーモンマリネ、
魚介のサラダ、ウニの冷製カッペリーニ
中華:ザーサイ、セロリとイカの炒め
つぶやき
ふうん、これが9号酵母の生みの親・・・・。
意外と地味です。
ワインで言ったらシャンボール・ミュジニーみたいな・・・って
分かりにくすぎますね
ま、私の勝手なイメージです
っていうか、
9号あっての吟醸酒なので、
もうどんだけ華やかなんだろうって
勝手に期待膨らませすぎでしたね、きっと。
自分のコメントで、
日本酒を分かり始めた人に勧めたい・・・みたいなこと書いてて、
そのあとで、
先に載せた、どこかの酒屋さんが書いたコメント、
~フレッシュ感溢れるお酒もいいが、
いわゆる『枯れた』落ち着きある上品な日本酒の良さ・・・~
っていうの見つけて、
「そうそう、それそれ、そういうことが言いたかったのよね~」
って思いました。
ちょっと地味だし、
華やかな今流行のお酒ではなく
少し前の日本酒って感じなんだけど、
なんだかヤミツキになりそうな・・・って感じかな。
結構アルコール感強いし、結構さらっとしているので、
全くブラインドだったらアル添の吟醸酒と思ったかもしれないです。
さてさて、
熊本県には他に
美少年、
蓬莱
などの銘柄があります。