Ma Vie Quotidienne

一歳に二度も来ぬ春なればいとなく今日は花をこそ見れ

読書  ブラフマンの埋葬  小川洋子 著

2012-01-31 20:46:51 | Book



人はいろんな領域を持っていて、
たくさんの人とシェアできるものもあれば、
ある特定の人とだけシェアしたいものもある。
相手のある領域に自分が入って行っていいのかどうかは
時間をかけて慎重に判断するもので、
そうしなければ何かが壊れてしまう。

これくらいは大丈夫っていう、
ちょっとした欲や油断や慢心をもって、
力ずくで何かを手に入れようとしたり人の領域を侵したりすると、
その代償は必ず弱いものや小さなものに災いとなって降りかかるのです。

主人公が愛するものは2つ。

一つはブラフマンと名付けた小さな森の動物。
ブラフマンと主人公には確固とした関係が出来ている。
主人公はケガしていたまだ子どものブラフマンを介抱して育てあげた。
いつも一緒の大切な友達。

もう一つは雑貨屋の娘。
主人公は彼女を自分の領域に入れようとする。
でも彼女には他に好きな人がいて
その人と作り上げている領域から出ようとはしない。

それなら・・・と、
主人公は自分が彼女とその愛する人の領域に入っていこうとする。
そのことばかりに気を取られて、
大切な小さな友達を失ってしまった。

ブラフマンを送るとき、
主人公の周りの人のなかで雑貨屋の娘だけはそこにはいなかった。
彼女は好きな人に会いに行った。
あくまでも自分の領域を守っている。
そんな強固な城壁を無謀にも攻めようとして
主人公が失ったものは大きい。

読書 やさしい訴え 小川洋子 著

2012-01-30 18:24:22 | Book


恋愛ものです。
しかも男1女2の三角関係。

3人それぞれが、
DV、浮気、離婚、芸術家としての挫折、婚約者の死(しかも殺人)など、心の闇を持つ。

設定としてはドロドロ愛憎劇で、
まあ実際そういう場面もありますが、
田舎の別荘地が舞台だったり
チェンバロという地味な楽器がポイントだったりするせいか、
全体を流れるやさしい空気もあります。

新田氏と薫さんは自分を傷つけたものから逃げることなく、
まるく取り込んでいこうとするのに対し、
瑠璃子は人のせいにしたり、いかに自分が惨めかを露わにしたりする。

いろんなものを胸のなかに抱えて、
それを少しずつ消化して自分の一部にしようとするような人は、
固有の周波数みたいなものがあって、
それがピタッと合う物や人との出会いがあるのかなと思います。
新田氏と薫さんとチェンバロの関係みたいに。

一方、瑠璃子みたいに自分が注目を浴びたい欲が強い人は、
「自分」がないままどうやって自分を見せるかに気を取られてばかりなので、
心の深いところでの周波数や和音に歪みがでるのかもしれません。

題名の「やさしい訴え」というのはチェンバロの曲名から取ったものですが、
原語ではLes Tendres Plaintes。
Tendre(s)には、柔らかい、優しい、愛情深い、甘い、などの意味があり、
Plainte(s)には、うめき声、嘆き、不平、苦情、愚痴、などの意味があります。
形容詞と名詞の組み合わせによってはいろんな意味にとらえられます。

チェンバロの曲に「やさしい訴え」という訳を最初に付けた人は、
その曲の意味を捉えてそう意訳したのだろうと推測しますが、
この本の主人公たちは
それぞれのやりかたでお互いにいろんなLes Tendres Plaintesをやりとりし、
そのやり取りにはやがて調和が生まれ、
そこにはもはや言葉は必要なくなっていく・・・
そういう風景をこの物語の中に見ました。

話変わりますが、これって岩手県が舞台かなって勝手に思ってます。
だって仕事で札幌行くのに花巻空港からって。
ちょっと嬉しくなりました(笑)


一人プチ合宿最終日のトレーニング、そしてスープカレー

2012-01-29 20:41:57 | Life
いわきサンシャインマラソンまであと2週間となりました。

11月末に宮城でハーフ走ってから、ほとんど走ってませんでした。
12月初めに持病の坐骨神経痛悪化させちゃって、
忙しくて鍼治療に行く暇もなく・・・。

元旦に4キロのファンラン出ました。

そのあと東北旅行行ったりして疲労蓄積、
2週連続夜行列車の旅で脚の浮腫みひどく、
走っても“ぎったんばっこん”って感じでした。

ヤバイ!
いわきのフルマラソンまであとひと月!
マラソンに向けての調整を生活の第一に据えるため、
2部構成の「プチ合宿」敢行を決意。

まあはじめの2週間でできるだけ鍼治療行って走れる状態にしてもらって走行距離を延ばし、
本番前2週間は疲労と痛みを取るってだけなんですが(笑)

で、この2週間、
いつもの通勤ランのほか夕方に10キロ20キロと距離を延ばしまあ何とか頑張れた。
そして本日が最終日。
目標は30キロ走、できれば3時間半くらいで。
そして帰りに軽くスイム練習もできたらな・・・。

コースはウチからサツエキまで行って、
そこから3代ぐらい前の道マラのコースの30キロから5キロ地点までを逆走して、
トータル30キロにしようという目論み。

出発したときは晴れてて気持ちよかったんですが、
北区から東区に入ったとき、時間にしたら1時間過ぎたあたりから粉雪舞いはじめ、
東区走行中はものすごい吹雪で先がほとんど見えない状態(汗)

その後もずっと弱くなったり強くなったりしながら雪は降り続き、
1回、20キロ地点でもうやめようと思ったんですが、思い直して走りました。

なんかねー、
地下鉄から遠いところを走ってると雪すごくなって、
地下鉄にすぐ乗れそうなところ走ってると、雪止むの。
要するに、
すごい雪で、もう止めよう、次に地下鉄駅あったら乗ろう・・・と思って
いざ地下鉄駅付近に来ると晴れてるから、じゃあまた頑張ろうかなって思う。
で、走り続けるとまた雪がひどくなる・・・の繰り返しで、
神様かなんかに振り回され、根性試されたなーって感じです(笑)

あと、冬のロングトレーニングは、
水分補給のことあんまり神経質にならなくてもいいから気が楽ね。

吹雪であんまり早く走れなかったおかげで、
本日のゴールの近くにある長水路の市民プールにて
スイム練習もしていく元気が残ってました(爆)

なんかねー、泳げるんですけどね、
腕の筋肉相当落ちてます・・・(凹)
あと体幹のバランスも。
ひとかきでたくさん進むためにガバーッと水をつかんで足のほうに送ろうとすると、
水の抵抗に腕が勝てなくて腕の動きが滞っちゃうから
体幹のバランスが崩れてローリングがうまくできない。
バランス崩さずに泳ぐには水をなでる程度の水掻きしかできない。

それでも50メートルまではまあまあの速さで泳げるんだけど、
ターンして次の50はすごく遠く感じるの。
やっとたどり着いたらもう次のターンする元気なし(恥)

衰えております・・・・(凹)

でも、
先々週、超久々に泳いだときは短水路で人がどんどん泳いでるし、
ぶつかんないようにとか考えてる間にもうターンしなきゃならんしで、
自分の問題点をつかむに至らなかったので、
今日はほんとに有意義なスイムでした。
今日の結果を踏まえてトレーニングメニュー考えなければ・・・。
まあ第一仮目標、今夏の釜石でのオープンスイム大会までまだ時間あるので、
焦らず頑張ろう・・・。

などと考えながら、腹ペコで地下鉄に乗りました。

火曜日に20キロ走った時に定休日で食べ損ねた、
自宅近くのお気に入りスープカレー屋さん、GONBEI SPICEにて晩ごはん♪



いつもベジタブルなんですが、
タンパク質摂ろうと思ってローストチキンにしました。
もちろん大好きなナッツとにんにくのかき揚げのトッピング付き!

満足しました。

さて明日からは、
足腰の疲労と痛みを取り、心肺機能を維持する2週間。
通勤ランニングと鍼治療、ヨガ、水泳を中心にがんばりたいと思います。

すべては福島の皆さんと楽しい時間を過ごすために!
いいマラソンだった、楽しいレースだったって思うには、
自分に余裕がないとだめだと思うので。

あとは当日雨とか降らないことを祈る・・・・(願)


読書 夜明けの縁をさ迷う人々  小川洋子 著

2012-01-29 00:32:07 | Book


9つの短編からなる奇譚集。

9つのお話が納まっているのですが、
はじめの「曲芸と野球」はまあ現実にもあるかもなーみたいな話ですが、
他はだいたい現実にもありそうだけど極端な感じか、まったくのファンタジーか、
ちょっといろんな意味で怖いお話が多い(笑)

一番好きだったのは「パラソルチョコレート」かな。
これだけはかわいらしいお話です。

こういう短編集ってその作家さんが好きなものだったり
いままで書いたものやこれから書くもののエッセンスがにじみ出ることが多いと思うのですが、
小川作品ではおなじみの、
人体、老いること、家、野球、
人間が入る小さな空間、小さな人、チェスなどなどがちりばめられています。
あとはフェティシズムと人間の残酷さね(笑)

これからもう3~4冊小川洋子を読む予定なのですが、
その中にどんな小川洋子エッセンスが出てくるか楽しみです。

プチ合宿中、で、ちょっと外ごはん・・・

2012-01-27 23:44:49 | Life
2月12日の福島でのフルマラソンに向けて、
ちょっと走ってます。

1月初めの東北の旅から帰ってきたあとは、
マラソンに向けてのプチ合宿期間となっております。

走って、鍼行って、ヨガ行って、プール行って。
食事もタンパク質多め。
服もほぼ毎日ジャージかそれに準ずるもの(笑)

走るのはね、
朝はマイナス10度とかそんな中の通勤ランニングのほか、
4時ぐらいに職場早退して10キロとか20キロ走って帰って来たり。

15年くらい前の全盛期にだって冬にこんな長距離走ったことなかった(汗)

冬にフルマラソン走ったことないからねー。
東京マラソンはフラれっぱなしだし(笑)

今まで一番早い時期に走ったフルマラソンはロンドンマラソンかな。
4月の2週目くらい。
あの時はロンドン走って翌々日に大西洋渡って次の日曜日にボストンを走るという
ムチャができる若さがありましたから、
雪解けの3月後半から走り始めて
多少の練習不足でも余裕のサブ4でしたけどねー(爆)

やっぱ2月にフルマラソンって、
じっさいの大会は雪のないところでやるにしても、
札幌在住者にとってはレース前の12月とか1月に十分走り込みできないって感じで
あんまりタイムは期待せずにファンラン42キロ!福島を満喫しよう!ってことで
最近は開き直ってます・・・(笑)

やっぱ、こう走る量多くなってくると、
やたら肉食べたくなります。
こってりしたもの。

でも、
なんかスーパーの肉ってあんまりおいしそうじゃないっていうか、
おいしく料理するの難しいっていうか、
走ったあとがんばっておいしく料理するの面倒っていうかで、
いつもこういうプチ合宿をすると外食したくなります(笑)
てっとり早く大量に食べられるのでね。

先日は20キロ走ったあとお気に入りのスープカレー屋さんに行ったら定休日で、
うっぷん溜まってたので、
その翌日はヨガ終わって22時半ころに準ジャージ姿で行っても冷やかな目で見られない
焼酎師匠の店に行きました(笑)

「マラソントレーニング中なんで、タンパク質たっぷり系つまみと
 それに合う焼酎お願いします!
 あ、からだ冷えないようにお湯わりで!」


悟空の眠蔵(ねぐら)
芋(クリコガネ) 鹿児島
1次仕込みに黒麹を、2次仕込みに黄麹を使って造られたそうです。
何でしょこれ!
声楽で行ったらテナーみたいな。
低音も高音ものびやか、みたいな。
要するにうまい(笑)


赤みそ仕立てのスペアリブと煮たまごがついた、タンパク質多めおつまみセット。
あっという間に無くなった(笑)


弥作
芋(コガネセンガン) 鹿児島
これも伸びますね。お湯割りでグーンと伸びます。
鹿児島県伝統を継承する名杜氏、黒瀬安光さんが作った焼酎!
弥作というのは鹿児島に米を伝えた人の名前だとか。


もう一つタンパク質系おつまみ。
ヴィシソワーズソースのハンバーグ
旨し!

これに合わせて、

萬年白麹 芋 宮崎
やさしくまろやか。
ハンバーグのソースに合う。

あー満足しました。
いつもお世話になります。
ごちそうさまでした。

今週末は体調良ければまた20~30キロ走りたいと思ってますがどうかな・・・。
そのあとの2週間はテーパリング。
ヨガと鍼で坐骨神経痛軽減作戦です。

あーなんとか間に合うかな。
どうかな。
間に合わなくても走るんだけどね。
待っててねー福島♪


読書 「薬指の標本」 小川洋子 著

2012-01-26 23:39:19 | Book
少し震災関連本は休止して小川洋子シリーズに戻ります。



フランス映画になった作品。

フランス人が惚れるのも分かります、このストーリー。

全体にモノトーンなんだけど、
時々血の赤や浴室の青なんかがその静けさにじわりじわりとシミを付けていく。
ちょっとエロス、ちょっとミステリー、
ちょっとファンタジーと思わせて実は現実にもありそうな設定。

たくさんの想像を促す含みのある表現と、
そのまわりにちりばめられた写実画のように緻密な描写。

「薬指の標本」の他に「六角形の小部屋」という作品も載ってますが、
それもまた然り。

はまっちゃいますよ、小川洋子作品(笑)

彼女の作品、まだ少ししか読んでいないけど、
なんとなくいつもキーになる建物もしくは人間が入る箱的なものが出てくる気がする。

あとは体の欠損とか浸食とか痛みも大体出てくる。

そしてそのからだの変化は残酷なまでに本人や周りの人の精神を反映している。

精神の入れ物である肉体とその肉体の入れ物である建物や何か箱的なもの。

その二重構造は中身を暖かく守ってくれることもあれば、
なにかの拍子に中身が腐り始めるとどんどん外側も浸食されることもある。

そして、
腐り始めていることを誰かが気付いて食い止めてくれることもあれば、
もう誰にも止められないところまで行き着くこともある。

「薬指の標本」の主人公は、
だれにも止められないところまで行きついてしまったタイプ。
彼女は若くナイーブで孤独・・・。
自分が消えてなくなってもいいと思うくらい一人の男性にのめり込んでしまった。
何度も忠告を受けるのに止まろうとはしなかった。

「六角形の小部屋」の主人公は
精神のゆがみが背中の痛みとなり、さらに浸食がすすみそうだったけど、
他の人が止めてくれた。
このお話には、
中に入って「独り言」を言うための六角形の電話ボックスみたいなものが出てくるのですが、
読んでいて「救命」という震災関連の本である神経内科医が書いていたことを思い出しました。
人は語ることによって自分の身に起こったことを物語化して
脳の適切なところに上手に片付ける。
上手に聞くことによってその人が上手に仕舞う手助けをするんだって。
だから「六角形の小部屋」に入って「独り言」を語る人も
そうすることによって自分の中のぐじゃぐじゃしたものを上手に仕舞うんだろうけど、
やはり人に聞いてもらうのと違って
独り言だとだんだんに妄想っぽくなって内に籠っちゃうから危ない。
六角形の小部屋の管理人はそれを察して、小部屋と一緒に彼女の前から消えてしまった・・・。


誰もが持つ心の奥底の弱さの泉になにかが触れて波紋が起こるとき、
それがどんどん広がらないような封鎖のシステムが
自分の内部にも外部にも備わっているとよいのですけどね・・・。


読書  春を恨んだりはしない~震災をめぐって考えたこと  池澤夏樹 著

2012-01-24 21:39:01 | Book



帯にも書いてありますが、著者は、
「震災の全体像を描きたかった。
 自然の脅威、社会の非力、
 一人一人の被災者の悲嘆、
 支援に奔走する人たちの努力などの
 全部を書きたかった」
そうです。

まあ、そんな感じのエッセイです。
こんな薄い本によくまとめたなあと思います。

今まで著者がこういうことについて
考えたことがあったからだろうなと思います。

たとえば人の死、特に、罪もない人が大量に突然死ぬということについて、
たとえば日本の国土と国民性について、
たとえば原子力について・・・。

原子力の章は読みごたえがありました。
その章の題は
「昔、原発というものがあった」。
そういえる日が近い将来実現するといいなと心から思いました。

津波による死者や行方不明者、
そしてこれからでるかもしれない原発の犠牲者についても
冒頭で紙幅を割いています。
「すべてを忘れないこと。
 今も、これからも、我々の背後には死者たちがいる。」


いまたくさんの震災関連本を読んでいますが、
復興復興と言われているけれども
亡くなった方、いまだ行方不明の方のことを
もうすこし取り上げてもいいのかなと思うようになりました。

いろんな出版社が保存版の震災の記録みたいなのを出していて、
私もこれまでにいくつか買いましたが、
私は亡くなった人がたくさんいることを忘れたくなかったので、
遺体安置所の様子とか土葬の様子とかが載っているのを敢えて選びました。

これまではまあそれくらいしかできなかったんですが、
震災の本を読むようになってから、
警察庁や各県警のサイトでほぼ毎日更新されている
死者や行方不明者の数やご遺体の身元が判明した場合はその名前なんかも
見るようになりました。
たとえば
1月20日現在の死者数15,845人、行方不明者3,380人、
1月24日現在は死者数変わらず、行方不明者3,375人
え?行方不明者は減ったのに死者は増えてないってことは・・・?とか考えたり、
岩手県では最近で1月20日に6名のご遺体の身元が判明していて、
判明してよかったねと思ったり。

まあだからどうしたって感じですが、
この本の著者の池澤夏樹さんも、
「東北地方にはまだ五千名近い(出版当時)行方の分からない人がいる。
 赴くときにはそれを空気の中に感じ取らなければならない。」
と書いていて、
全くその通りだし、だから意識したいなと思っています。


著者は大学時代は物理学を専攻していて、
物書きになったのも小説よりも詩のほうが先だったそうで、
そのせいか、
科学系の論文的なところもあるし、
抽象的で誌的なところもあるし、
なんだか読んでいて
使ってる脳のチャンネルを意識的に切り替えないとついていけない感じがしました(笑)
でも薄い本だから何とかなりましたけどね。

原発のこととか風力発電のこととかがテーマの小説もあるみたいですので、
いずれ池澤夏樹さんの本をまた読みたいと思います。


読書  救命 東日本大震災、医師たちの奮闘   海堂 尊 監修

2012-01-22 23:07:15 | Book


被災地にて活動されたたくさんの医師のなかの9名から
当時の話を聞きまとめてあります。

地震と津波のとき現地にて診療をしていた方、
被災地に住んでいるのに当日はほかのところで仕事をしていて戻られた方、
被災地外や準被災地にお住まいで被災地に駆けつけてくださった方、
いろいろな目線で今回の震災後の医療活動を
知ることができます。

遺体検死に携わった宮城の歯科医師の言葉、
「日本のような先進国で身元不明者がいるなんて絶対に許せません」・・・・。
胸にしみました。
ほんとですよね。
はやくすべての遺体の身元が判明することを願います。
でも、この機械を使えばもっと判明するのに・・・っていう最新のものがあるのに
やはり許可が下りないとかなんとかで使てない現状もあるようです。

千葉から釜石に来てくださった医師とそのチーム、
阪神大震災のような災害を想定して外科処置用品をたくさん持って来てくださったのに、
現地は外科的処置が必要な人はごくわずか。
「そんな怪我を負った人はみんな死んでしまったよ」と言われて愕然。
津波から逃げた人は怪我はしておらず、
怪我をするような場面に出くわした人はみんな津波にのまれて亡くなっているのです。
現地で必要なのは薬を持たずに逃げてきた内科疾患を持つ人への対応でした。

心のケアのチームを組んで陸前高田に来てくださった千葉の心療内科医。
これから大きな問題になってくるであろう
引きこもり、孤独死、自殺を防ぐためのメンタルケアの重要性を
説いています。
特に岩手県は常に自殺者数トップ3に入っているので
震災を機にまた増えてしまわないよう長期の支援が必要です。
阪神大震災の遺族の孤独死はいまだに問題になっているようです。
先の体験から学んでいかなくてはなりません。

阪神大震災と言えば、
話は脱線しちゃいますが、
阪神の時あまりにも無力だった私は
次に万が一大きな震災などがあった時には何かできる人になりたいと
まあいろいろ自分なりに自己研鑽を積んできたわけですが、
その中の一つにアウトドア派になることがありました。
被災地にボラで行くにしろ自分が被災者になるにしろ、
最低限のものでなんとか生きることができる知恵が必要と思ったのです。
キャンプとか登山とか自分一人でも何とかできるように
道具をそろえたりいろんなアウトドア体験をしたりしてきました。

で、
今回この本に載っていた岩手県大槌町の医師が登山をする人なんですが、
自宅兼医院の建物に何人かで取り残された時も
ビバークの経験や何にもないところで生きる経験が豊富だから
面白いほど飄々と現実に対応できている様子で、
救助されて避難所で診療活動をしているときも
特に何もテンパったりせず、いつもやってることを当たり前にこなし、
それがかえって周りの人の安心感につながっているんです。
あ、私もこういう人になりたいってあの時思ったんだっけ・・・
と思いだしました。

陸前高田の県立高田病院院長のお話には涙が止まりませんでした。
病院に取り残され、救助され、
避難所にて診療を開始して・・・・
奥様を遺体安置所で見つけたのは3月27日だったそうです。
すごい赤字を抱えていた高田病院に赴任して
病院改革をして黒字を出して、
定年まであと2年でこんな医療を・・・って高い意識で進んでこられたのに
病院も家も家族も失って、
それでもあと定年までの2年でまた高田病院を再建したい、と。
頭が下がり胸が熱くなります。

後に続く若い医師にも期待がかかります。

先にも書いたように
けが人というものがあまり出なかった今回の震災において、
重要になってくるのはやはりメンタルケアだなと痛感しました。
私も今はボランティアに行っても片付けをメインにやってますが、
コメディカルとしていずれはそういった方面でお役にたてればと
思っています。

日々医療や福祉の中にいると、
なんだか金の亡者かゴマすり系か偉そうに威張ってる系か、
そんな人々のるつぼだなこの業界・・・と
半ば世捨て人的になっていたわたくしですが、
世の中にはこんなにたくさんの意識の高い医師がいるんだなー
しかも地域医療の現場で・・・
と、この本を読んで感じ、
またちょっと頑張ってみようかな、仕事・・・・
と心が洗われる思いがしました。

陸前高田の瓦Re:KEY HOLDER

2012-01-22 01:05:54 | Life
12月にボラバスで陸前高田に行ったとき、
ボラセンに売ってたキーホルダー買いました。


瓦礫で作ったカラフルなキーホルダー。
誰かが大切に使っていた日用品を
こうしてかわいく再生していただいて、
使わせていただいております。

被災地の人が作りそれを買うことで
被災者の収入にもなります。

1月に陸高に一本松に会いに行ったときも
また買おうと思っていたのですが、
なんと売れ切れ入荷待ちでした・・・。

しかーし!
昨日twitterで札幌でも売ってることがわかり、
さっそくお店に行ってきました。

ドンキホーテの裏手にあるBrownfloorさん。

アウトドア系カジュアルファッションのお店、みたいなかんじでした。
お店の真ん中あたりにどどーん!と
キーホルダーとNBC作戦のミサンガやネックレスなど置いてありました。

で、2つも買っちゃいましたー!

茶色が入るとなんかちょっとシブい感じで。

お店の人も親切にしてくださいました。

前に北海道ローカルテレビなんかで
このお店でキーホルダー売ってること放送されたそうです。
その時完売して、
こちらのお店でもずっと入荷待ちだったそうです。

そしてなんと、
元々こちらのお店で働いていた方が
このキーホルダーを考案したかなんか、そんな感じだそうで。

えー!
すごい!
北海道にまだそんな熱い人いたんだ。
NBC作戦だけじゃなかった!

うれしいなあ。
超ウレシイ!

また頑張ろう。
とりあえず福島のマラソンで地元の人が盛り上がれるようにちゃんと走ること。

そのためにー、
明日ロング練習しようと思っていたのに、
なんか天気予報雪に変わってるし・・・・(汗)
むむう~。
どうしよ。
まあなるようになるさー(笑)


本日の晩ごはん 豆乳豚しゃぶ

2012-01-19 23:12:32 | Food

豆乳でしゃぶしゃぶです。
湯葉をひきながらしゃぶしゃぶもするって感じです。
野菜とタンパク質たっぷりの晩ごはんとなりました。

さて、
2月12日に福島でフルマラソン予定なのですが、
12月のボランティアから引きずっている持病の腰痛&坐骨神経痛の悪化が良くならず、
あまり走れておりません。

しかも1月の連休は東京でハーフ走って足慣らしの予定が
東北行きとなり、
しかも1月入ってここ札幌は大雪&寒波。
ほんと走れておりません(汗)

でも今週末あたり25キロか30キロ一発入れとかないとヤバイので、
ゆっくりでもいいから走る予定。
その前に10~15キロ一発しとかないとねってことで、
本日仕事を早退して、10キロぐらい走っちゃおうって、
新札幌からススキノまで12キロ走りました。
ほんとは南郷通→環状通→平岸→ススキノで15キロ予定だったんですがね(汗)
環状通りから36号線に入っちゃいました(笑)

あー。
冬に雪道で30キロなんて練習したことないな。
冬はせいぜい10キロだもんね、いつも。

どの道走ろうかな。
30キロ・・・。
道マラのコースはダメね。
冬の新川通なんて恐ろしすぎる(怖)。

かといって、
周回コースとかだったら絶対途中でくじけちゃう。

んー。
昔の道マラのコースで行ってみようかな。
ワンウェイコースだったころの。
何回も走ってるからどこが何キロポイントとか頭に入ってるし。

うーん、うーん。
もう少し考えよう。