お酒のお勉強をしていると何度となく出てくる、アメリカの歴史的悪法「禁酒法」
元は宗教的や諸々厳格な習慣と規律を重んじる人々が草の根運動から開始し、
婦人系団体の支持を集めつつ各宗教派閥も巻き込んで制定に至りました。
この禁酒法(1920-1933)はジャズの発展に貢献したといわれています。
禁酒社会のさなか、暗黒街のマフィアらによる違法酒場「スピーク・イージー」において、
酒と音楽のつながりは強くなり、
ジャズは闇の世界で不可欠な存在となっていき発展ました。
1929年にGM社の株暴落を機に世界大恐慌が発生、
ニューヨークのウォール街が壊滅的な打撃を受けましたが、
1933年にルーズヴェルト大統領が禁酒法を廃止しニューディール政策を施行して
徐々に景気が上向きになりました。
人々は大恐慌がもたらした絶望感から徐々に希望の光を見出していきました。
音楽も闇の世界のものというイメージを払拭した明るいイメージのものが求められ、
白人をターゲットにしたダンスクラブが再び台頭し、
陽気で自然と体が踊り出してしまうようなスウィング・ジャズが生まれました。
1930年代半ばには
クラリネット奏者のベニー・グッドマンや
ピアニストのデューク・エリントン、カウント・ベイシー、
トロンボーンのグレン・ミラー、
シンガーのキャブ・キャロウェイらが
トランペット、サックス、トロンボーンなどによる大編成のビッグバンドを率いて、
米国各地のダンスクラブを席巻しました。
スウィング・ジャズの栄華を示す出来事として今でも語り継がれるのが
1938年のベニー・グッドマン楽団による、
クラシックの殿堂カーネギー・ホールでの史上初のジャズコンサート。
ということで、ライブCDがあったのでレンタルしました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/c9/d1126a6cd462dd8314aad5b452303c51.jpg)
スウィング時代最大のスター、ベニー・グッドマンのバンドメンバーの他、
エリントン楽団とベイシー楽団の精鋭たちも参加しており
当時のジャズ界が総力を挙げて取り組んだイベントのサウンド、
すごく楽しいです。
わたしヴィブラフォンが結構好きなので、
ライオネル・ハンプトンの演奏が聴きごたえありました
あと、デューク・エリントンやカウント・ベイシーの
30年代の音ってないかなーと思っていたらこんなのあったので買っちゃいました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/3e/e5eaafdf3f02d72268d279e75da90c39.jpg)
初期のベスト。
こういうの探してたんだー
グレン・ミラーはスウィングのオムニバスで聴くことに・・・。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/4f/7dc07d544d0c99654c468ad219b476b7.jpg)
ジョギングとかウォーキングのジャズっていうCDには
20~30年代の曲がたくさん入ってました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_nika.gif)
明るくリズミカルな曲調は歩きや走りの足取りを軽やかにしてくれそうですもんね♪
ところでスウィング時代には対照的な二人のテナーサックス奏者がいました。
力強い演奏でテナーサックスの父と呼ばれるコールマン・ホーキンスと
10年遅れで現れた、ソフトな演奏のレスター・ヤング。
この2人をカップリングしたレコード&CDがあるみたいなので、
見つけたら買いたいなー。
レスターヤングの演奏はオムニバスやカウントベイシーのCDでもよく耳にするけど、
ホーキンスのはあんまり聞いたことないかも・・・。
ホーキンスはジャズにおけるテナーサックスの開拓者で、
ベン・ウエブスター、チュー・ベリーなど、
多くのサックス奏者ができるだけホーキンスのように吹こうと努力していました。
レスター・ヤングはホーキンスががヨーロッパに移ったあとヘンダーソン楽団に入りましたが、
「音が小さい、もっとホーキンスのように力強く吹け」などと言われてなじめず、
カウント・ベイシー楽団に移ったとか。
そんなレスターはビックス・バイダーベックの影響を受けており、
また彼の柔らかな奏法は10年後のモダンジャズの時代に認められ、
50年代のクールジャズでは
チェットベイカー、スタンゲッツらがレスターの影響を受けたといっているそうです。
こういうジャズの系譜を知るのがだんだん楽しくなってきました
あ、あと、
この時代のエンターテイナー、キャブ・キャロウェイについて調べていたら、
映画「ブルースブラザース」に出ていたとか。
はるか昔に見た映画で、どの人がそうなのか全然記憶にないんで、
レンタルしてみてみようかなー
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_nika.gif)
ついでにコットンクラブとか禁酒法時代の映画ももう一回見てみたくなりました
こうして時代は30年代から40年代へ・・・。
キャブ・キャロウェイとケンカして傷害事件を起こした、トランペットのディジー・ガレスビーは
アールハインズ楽団、そして1944年ビリーエクスタイン楽団へと移りましたが、、
そこではチャーリーパーカー サラヴォーン、アートブレイキーなど注目の新世代が集結。
当時18歳のマイルスデイビスもそこで彼らに出会い、
徐々にモダンジャズのジャイアンツたちが頭角を現してきました。
そして第2次世界大戦を経て、ビッグバンド・スイング時代終わり、
モダンジャズ時代へと移ります。
古いジャズ、聴いていて楽しいし大好きなんで、ずっと聴いていたい気もしますが、
そろそろモダンジャズの勉強も始めていかないとねー
夏ぐらいにハードバップ聴けるといいかもしんないので
そのペースでお勉強進めます(予定)