この日もプルーフさんへ。
飲んだことない蒸溜所のモルト、飲んでおいた方がいいモルト、
とりあえずメニューに載ってるのはあと4つなんで、終わらせちゃいます
まずはこちら。
グレンオード 12年 43%
<グレンオード蒸溜所>
蒸留所は、北ハイランドの中心地インヴァネスから北北西に20キロ行った
ミュア・オブ・オードという古い町にある。
町はちょうどブラック・アイル(「黒い島」、実際は半島)の付け根にあり、
北ハイランド各地から家畜や農産物があるまる市場町であった。
ブラック・アイル半島は大麦の主産地で、
この大麦をてっとり早く換金するために古くからウイスキーの密造が盛んであった。
オードの周辺にもかつてはいくつもの蒸留所があったが現在残っているのはこのグレンオードだけ。
蒸留所の創業は1838年、アレクサンダー・マッケンジーによる起業。
その後、オーナーはいく度となく代わったが
それ以上に蒸留所名がよく変わることでも有名であった。
ミュア・オブ・オード、グレンオード、あるいは単にオードとも呼ばれ、
シングルモルトもかつてはグレンオーディ、オーディだったが、
現在はグレンオードまたはシングルトン・オブ・グレンオード。
1923年にパースに本拠地を置くジョン・デュワーズ&サンズ社が買収し、
以来同社のブレンデッドであるデュワーズの主要モルトになっている。
年間生産量は300万リットルと、UDV社系列では最大クラス。
仕込水はナムユン湖、冷却水にはナムボナック湖の水をそれぞれ利用している。
特筆すべきは、ここがUD社系列の蒸留所の中で「実験的」蒸留所だったこと。
石炭の直火焚きにかわる加熱方法として、
スチームのパイプを通した蒸気蒸留方式がここで初めて採用され、
8年間にわたって両者の比較実験がおこなわれた。
その結果2つのウイスキーに決定的な差がなく蒸気蒸留の有用性が初めて実証された。
以来、同社系列の蒸留所では蒸気蒸留のスティルに切り替えられ、
現在ではこの方式が他の蒸留所でも主流になっている。
さらにドラム式モルティングを採用したのもグレンオードがはじめてで、
現在では蒸留所に併設して巨大な製麦工場があり、
UDV社系列だけでなく周辺蒸留所にも麦芽を供給している。
<テイスティング>
香:ゴム、麦、ワックス、オレンジ、カラメル
味:トロリビリビリ、メープル、麦わら、スパイス、ハーブ、苦味、
余韻長い 苦味 タンニン渋み軽く張り付く
今はもっと軽い飲み口らしいです・・・。
お次はローランド。
ローズバンク 20年 1981-2002 レアモルト 62.3%
<ローズバンク蒸溜所>
ローズバンクは典型的なローランドモルトとして最高の代表銘柄。
グラスゴーとエジンバラのちょうど中間辺り、
産業革命時代、物流輸送手段が運河だった頃に賑わいを見せたファルカークの町の北、
フォース・クライド運河沿いにあった。
かつて運河の岸にはバラが咲き誇っており、蒸留所の名前はそこに由来するものと思われる。
もともとの創業年度は18世紀後半の1773年と言われており、
住所であるキャメロン蒸留所を名乗っていた。
現在の建物は地元の穀物及びワイン・スピリッツ商のジェームズ・ランキンが1840年に建てたもので、
ランキンは製麦棟を改造し、ローズバンク蒸留所の名前で新しくスタートさせた。
1864年、キャンベルタウンやスペイサイドの有名蒸留所に負けない品質のウィスキーを生産すべく、
ランキンの息子によって立て直されたローズバンクの需要は急増。
需要に生産が追いつかず、受注を裁ききれなくなった蒸留所は
顧客の受注を割り当てにする程の状態になった。
しかし20世紀になると同時に訪れたウィスキー不況に飲み込まれ、
同じローランドのグレンキンチー、クライスデール、St.マグデラン、グランジと共に
1914年に誕生したスコティッシュ・モルト・ディスティラーズ形成、
ハイランドモルトのウィスキー業者に対抗したが、
この中で現在創業を続けているのはグレンキンチーのみ。
1993年、ローズバンクは当時の所有者であるUDによって閉鎖が決定された。
ローランドの伝統である3回蒸留を行なっていたローズバンクのポットスティルは
初留、後留、再留の3基。
仕込み水は水道水を利用していたがキャロン渓谷の貯水池を水源とする軟水で、
ウイスキー造りに適していた。
そもそもローズバンク蒸留所が閉鎖された理由のひとつは、
敷地を分断する道路が敷かれたことだと言われている。
近年、旧ローズバンク蒸留所の保存のために、
ヒストリックスコットランドが50万ポンド(約8000万円)の出資をすることを決定。
これにより、現在建物等を所有しているアラン・ブリュワリー社は、
旧ローズバンクの建物を使ってマイクロブリュワリーとボトリングホール、
マイクロディスティラリーの創設が可能になるとしている。
新しく設立されるブリュワリーの名前は“フォース・アンド・クライドブリュワリー”で、
マイクロ蒸留所の名前は“キャメロン蒸留所”と付けられる予定だとか。
ローズバンクと名乗れないのは、ローズバンクのブランド権をディアジオ社が所有しているため。
<テイスティング>
香:南国フルーツ、豆、ハーブ、白い花、
味:アタックはサラリぴりぴり、梨、塩味、ゆで豆、麦、上に広がる、
余韻中くらい、南国フルーツ
また加水するのわすれました・・・(汗)
こちらは蒸溜所としては飲んだことあるけど、
ちょっと興味があって手を出しちゃいました。
ミシェル・クーヴレー ベリー・シェリード・シングルモルツ 27年 45%
ベルギー出身で、フランス・ブルゴーニュ・ボーヌに本拠地を置く、
ミシェル・クーヴレーの27年もの。
彼は「ウイスキー造りの95%は熟成による樽で決まる」との信念から、
シェリー樽にとことんこだわっている。
彼の手によって育まれたモルト・ウィスキーは、
シェリー樽の揺りかごの中で、深く、静かに奇跡の味わいへと昇華するのである。
主にルスタウ社のソレラシステムで30年以上使用された極上の樽を選んで使用。
「味わいを決定づける要因は蒸留所ではなく、樽そのものが決める」という信念から、
熟成に使用する樽は自らが吟味し、蒸留所とは異なる個性の商品に仕上げる現代の名手である。
それ故に商品ラベルには、一切「蒸留所名」は刻まれていない。
このボトルはどうやらインヴァーリーブンらしいのですが、どうなのでしょう・・・。
インヴァーリーヴンは現在は休止中(1991年~)。
蒸留には、ハイラム・ウォーカー社が開発したローモンド・スチルを使用、
オフィシャルボトルは一度も発売されたことがない。
<テイスティング>
香:紹興酒、醤油、だし、ラーメンゆで汁、ナッツ、カラメル
味:アタックはマイルド、黒糖、塩味、樽、醤油、タンニン、
余韻長い 塩味 タンニン 黒糖 醤油
すんごいシェリーです・・・。
インヴァーリーブン&ミシェル・クーブレーなんてダブルでレアもの。
お値段も高かった
そして最後は“幻のモルト”
エアシャー/レディバーン 1970-2000 G&Mレアオールド 40%
<レディバーン蒸溜所>
レディバーン蒸留所は1966年に創業、1975年に閉鎖された。
操業していた期間はわずか9年ほどで、かなりレアなモルトとなっている。
ウィリアム・グラント&サンズ社によって、
1963年にガーヴァン・グレーンウイスキー蒸留所の建造とともに工場群の一角に建てられた。
カーヴァンはロバート・バーンズゆかりの地として知られるエア州の海岸部にあり、
蒸留所は海岸道路から少し内陸にはいったところにある。
周囲は一面の大麦畑で、広大な敷地に立つ巨大な建物群は遠くからでも目立つ。
レディバーン蒸溜所の設備は
ステンレス製のウォッシュバックが6槽、ポットスティルは4基。
なお再留釜のヘッド部分には、酒質を軽くするために精留器が取り付けられていた。
仕込み水は、ペンワップル貯水池から。
このシングルモルトがレアなのは、蒸留所が短命だったこと以外にも、
オフィシャルボトルがわずかしかリリースされなかったという理由もある。
グレーンウイスキー蒸留所と併設された他の蒸留所と同様、
レディバーンももともとは自社のブレンデッド「グランツ」の原酒用のためにつくられた蒸留所だった。
グランツの親善大使であるルド・デュクロさんによれば、
グランツ25年のようなプレミアムクラスのブレンデッドには今日でもレディバーンが使用されているそう。
<テイスティング>
香:桃、リンゴの皮、フランボワーズ、カスタード、ラム、
味:麦、トロリ、甘味、ぽん菓子、フワッとはかなく広がる、
余韻よわーく中くらい、甘味、麦
やさしい味わいでローランドらしいといえばそうなのですが、
ケイデンヘッドから出てたモルトはもっと力強かったそうです・・・。
いずれにしても、(手が出るお値段で)これを飲む機会に恵まれてよかった・・・。
ちょっと飲む順番難しかったんで全部並べてもらってちょっとずつじっくり飲んだのですが、
やはりレディバーンを最後残すことになり、ずーっとチビチビやってました
すばらしい体験ありがとうございました