村上春樹の最新長編小説です。
こういうのって
自分で買ってまで読むタチじゃないんですが、私・・・
母が買って読んだのが実家にあったので
なんとなく暇つぶしに読んでみました。
読み終わって感想一言・・・といわれれば、
読破するのは結構苦行に近かったかも・・・です
やっぱ、こういう小説って、
登場人物に同情というか
なんか私と似ているな~とか
そういうの分かるな~みたいな感情が沸くと
読んでて入っていきやすいのかなと思いますが、
この本の登場人物はちょっと特殊な感じの人が多くてね。
・・・・でも、
ほんのちょっとだけ
青豆っていう主人公と私の間に
共通するものを感じたところはあったかな。
筋肉大好きなところとか
私はあんなふうに大胆だったり勇敢だったりストイックだったり
まして最後あんなになったりはしたりはしませんけどね
Book1の前半は物語がどこに行くかも分からないまま
登場人物の人と成りがいくつもの「点」で表わされていくので
容易に飽きて
本を閉じて読むのを諦めてしまいたくなる衝動との戦いです。
半分ぐらい読み進むと
点がつながり始めるので自然と読み進むことができるのですが、
今度はなにやらいろんな形での性的描写が多いことに
だんだん「・・・・」って感じになっちゃいます
村上春樹ってそんな感じなのかな。
物語は2人の主人公の人生を別々に記しながら進みます。
現実にこの世界で起こっているのと似たような事件、
すなわちオウム真理教とか
そういったものを髣髴とさせる事象を絡めながら
実は2人の主人公がとてつもない強い力で結ばれていた・・・
という流れ。
なんだかあの事件に似ているなあっていう身近さもありますが、
ファンタジーっぽさとかミステリーっぽさとか、
いろんな非現実的なことも入り混じっているので
物語に入り込むタイミングが難しいっていうか・・・
ま、それでもBook2の中盤以降は
結構のめり込んじゃいましたけどね
で、のめりこんだワリには
あれ?こんな終わり方なんだ・・・・みたいな。
「アレはいったいどうなったんだ?」
「結局あの人は・・・・」
「何で自殺?」
「なんで?なんで?」と、
ものすごいたくさんの余白を残して終わるので、
まるで難解なフランス映画を観たあとのように
いろんな可能性からいろんなことを考えたりして
かなり長い余韻となりました。
巷では、
あんな終わり方をしているのは
Book3とか4とかがいずれ出るんじゃないか・・・
みたいな事も言われているようですが、
わたしはまあ、あれならあれで
終わってしまっていいのではないかと思います。
難解フランス映画見慣れているせいでしょうかね
これを機会にもう1冊ぐらい
ハルキ・ムラカミを読んでみようか、
はたまたジョージ・オーウェルの「1984」という小説のほうを
読んでみようか・・・と、
早くも読書の秋モードに突入の予感です