新政 特別純米酒 六號
新政酒造株式会社 秋田県
秋田にもいっぱいおいしいお酒や有名銘柄ありますが、
この度選びましたのはちょいと地味(←失礼)な新政さん。
なぜ選んだかというと、
協会速醸酵母6号の発祥蔵だからです。
当然7号酵母の発祥蔵・真澄(長野県)と
9号酵母の香露(熊本県)もこれから飲みますよ~。
6号酵母は昭和5年に分離され、
昭和10年に日本醸造協会より「協会六号酵母」として発売された酵母で、
現在市販されている酵母の中では最古のものとなります。
決して派手さはないが、柔らかでふくらみがあり上品な味わい、
これが六号酵母の特徴だそうです。
新政という名は、
明治政府がその施行の大綱に掲げた「新政厚徳」に由来。
昭和になってから「あらまさ」と改めたそうです。
使用米 美山錦
精米歩合 60%
酒質 特別純米
日本酒度 +3
酸度 1.3
アミノ酸度 1.3
alc. 15.8度
<テイスティング>
外観:輝きのある薄いレモンイエロー 粘性中等度
香り:仄かにさくらんぼの香り ハッカ ビニール
味わい:アタックはマイルド
するりとしたテクスチャーで軽くピリッとしたアルコールの刺激
炊きたての米のようなふくよかな甘みがあり酸味はおだやか、
仄かな苦味を感じたあとに軽やかな旨みが口内に広がる。
フレーバーには米由来の甘みと
オレンジのような果実系の甘みが感じられ、
余韻は中等度の長さで軽やかな米の風味と軽い苦味、
ほんの少しナッツやカラメルのニュアンスも感じられる。
サンプルの特徴:
香りはややフルーティさも持っているが
味わいは軽やかだがしっかりとした米の風味を持つ。
酸も苦味もおだやかで飲みやすく、
シーンやお料理も幅広くて適用できる。
米の風味が印象的なので醇酒として提供したい。
適したシーン:
幅広い年齢層やさまざまなシーンで適用できそうではあるが、
仄かなフルーティさと飲みやすい甘みを持つことから
どちらかというと女性にお勧めしたい。
初秋にセミフォーマルなレストランでの
女性同志の集まりなどで
食事の始めから最後まで通して飲用できると思われる。
飲用温度:15~20度
ほんのり果実の香りが在るので
それを殺さないよう常温近い温度で提供したい。
温度が低く過ぎると
やや弱めの旨みがさらに感じにくくなる懸念もある。
温めることで和らぐ要素や引き出される要素は
あまりないと思われる。
適した器:軽やかな米の旨みをやや低温での提供ということから
磁器での提供がよいと思われる。
女性がターゲットであればガラスの切子など目に楽しいものも、
好ましい選択だろう。
温度が変わらないうちに飲みきれる小ぶりサイズで
仄かな果実の香りの広がりを楽しめるように
やや口のすぼんだ形が望ましい。
相性の良い料理のイメージ:
酸味苦味が控えめで飲みやすい酒質なため
広いジャンルの料理に合わせられる。
軽やかな旨みと割と厚めな甘みを持ち香りも良いことから
余り重くなく甘みや旨みを持つ料理が適していると思われる。
和食:鮭のお刺身(にきり醤油)茶椀蒸し 出汁巻き玉子
鶏の幽庵焼き 水炊き しょっつる鍋
洋食:アクアパッツア ブイヤベース
中華:白身魚の甘酢あんかけ かに玉 シュウマイ
つぶやき
これは飲みやすくおいしいお酒です。
6号酵母のおかげでしょうか。
でもブラインドで飲んだら純米吟醸とかいっちゃう可能性もあります。
こういうお酒は要注意
偶然ですが、
このお酒を飲んでいて、しょっつる鍋を食べたくなってしました。
だいたい地酒と郷土料理をペアでやってきましたが、
選んだお酒と郷土料理が合うことは少なく、
それは私のお酒の選び方が
料理主導じゃなく試験主導だからしょうがないのですが
たまたま選んだお酒でその土地の郷土料理を食べたくなるって
なんかうれしいです
秋田には他に、
天の戸
雪の茅舎
飛良泉
まんさくの花
出羽鶴
などの銘柄があります。