久々の紹介となる旧ユーゴ生まれの哀愁トランペッター、ダスコ・ゴイコヴィッチ。本作はドラマーであるアルヴィン・クイーンとの双頭コンボで、1983年のオランダにて録音された一枚です。ちなみにリリース自体は、フランスのNilvaというマイナー・レーベルから。比較的(というか個人的にはかなり)新しめの年代のLPながら、昔からマニアの間ではジャズ喫茶の隠れ名盤として親しまれていたそうですね。さながら愛すべきB級ハードバップの佳作と言ったところでしょうか。そんな本盤ですが、クラブ世代的に注目なのはB-1のDowntown Talk。タイトルこそ変えられているものの、この曲は実は独MPSからリリースされているライブ盤に収録されたMadison Walkという曲の再演です。若干テンポ早めの4ビートで絶妙にスウィングするマイナー・コードのジャズ・ダンサー。Madison~の方も以前紹介したように素晴らしい名演ですが、あちらのライブ録音とは違いスタジオ録音であるため、クラブ的にはこちらの方が使いやすいかと思われます。尺的にも若干短くなっていますしね。それからA-1のMister Queenも、伊Vista盤のFlying Romeの曲名違いセルフ・カヴァー。これぞダスコ節と言ったエキゾなフレーズが炸裂する高速ハードバップに仕上がっていて良い感じです。また、部屋聴き用としてはB-2のGrowing Upが名曲Old Fisherman's Daughterを彷彿させる哀愁バラードで素晴らしい。この人、トランペッターとしてはもちろんのこと、メロディー・メーカーとしてもやっぱり非常に優れた人物だと思います。ちなみにオランダ録音ということで、あのダイアモンド・ファイブの中心人物であるシーズ・スリンガー(p)が、さらっと参加してるところも興味深いですね。現在は廃盤のようですがCDでも出ているみたいなので気になった方は是非。年代が新しいこともあって、オリジナル盤もダスコの中では比較的安価で手に入るかと思います。オススメ盤。
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