At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Kumuhau / Same

2014-04-23 | Hawaii
年代新しめのコンテンポラリー・ハワイアンとしては比較的有名な一枚。地球をバックに竜虎相見えるスカジャンのようなジャケットが印象的な2005年のアルバムです。マッキー・フェアリーやカラパナの流れを組んだこの手のコンテンポラリー作品は、ここ日本だとフリーソウルやライトメロウ文脈で何でもかんでもハワイアンAORと紹介されることが多く、その言葉のイメージからなんとなく洗練された都会的な音を想像してしまいがちですが、実際には全体的にもう少し緩めの作風が大多数。「いなたい」という表現が正しいのか適切なのかは分かりませんが、良い意味で地に足の付いたローカルな作品がほとんどだったりします。Lonnie Brown(ロニー・ブラウン)とKeith Omizo(キース・オミゾ)なる恰幅の良い髭のオジさま二人によるこのアルバムも、そうした愛すべきローカル作品の一つ。ユニット名でもありタイトル曲であるM-1のKumuhauは少し湿り気のある南国の風が吹く異国情緒に満ちたメロウナンバー。ゆったりとしたサウンドが日々の仕事で疲れたカラダに心地よく、これからの時期のリラックスタイムに最適な一曲となっています。続くM-2のMatsoniaはトラディショナル、さらにM-3のYour Kissはレゲェ・ディージェイのHawea "Kane Fyah" Ailaをフィーチャーしたジャワイアンと曲ごとに異なる様々な側面を見せる彼らですが、白眉はなんと言ってもM-4のBusters Song。90年代初頭のNalu作品辺りに通じる、甘くいなたい屈指のアイランドメロウ・ナンバーです。この手のチープでローカルなコンテンポラリー・ハワイアン好きには一発でやられることでしょう。ちなみにアルバムには他にHow Deep Is Your Love(原曲:ビージーズ)、To Be True(原曲:カラパナ)という2曲のカバー作品も収録されており、こちらも完成度はそれなり。リリース時期が最近なこともあり、この手のアルバムの中では比較的手に入りやすい作品なので、90年代以降のコンテンポラリー・ハワイアン入門編としてお勧めの一枚です。

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