At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

In Your Hawaiian Way / Nalu!

2013-03-11 | Hawaii
Rupert Tripp Jr.(ルパート・トリップ・ジュニア)とWaymouth Kamakana Jr.(ウェイマウス・カマカナ・ジュニア)というハイスクール時代からの友人2人により結成された、ハワイアン・アコースティック・デュオによる1989年の作品。グループ名のNaluとはハワイ語で波という意味だそうです。このグループ、一般的な知名度はほぼ皆無ですが、実は一部のコンテンポラリー・ハワイアン好きには比較的よく知られた存在。基本的には以前紹介したKool ElevationやCool Soundから編集盤CDが出ていたNightwingと同じ、いわゆるカラパナ・フォロワーと呼ばれるグループのうちの一つなのですが、その中でも一際ナチュラルに初期カラパナの音作りを模倣しているため、70年代のカラパナ・サウンドが好きな人には堪らないグループだったりします。かく言う僕自身も実は90年代以降のコンテンポラリーを真剣に聴いてみようと思ったのは、このグループに出会ったことがきっかけ。もしもこの出会いがなかったら、おそらくこれほどまでにコンテンポラリー・ハワイアンにのめり込むことはなかったでしょう。さて、本作はそんな彼らの1st。LPが出ているという話は聞いたことがないので、おそらくオリジナル・リリースはカセットテープで、1996年にKahale MusicというレーベルからCD化されています。M-1のHard To Sayからとろけるようなアイランドメロウで、この手のサウンドが好きな人なら間違いなくハマるはず。メインヴォーカルのルパートの甘い声とDavid Choy(デヴィッド・チョイ)なる人物の吹くサックスに癒されます。続くM-2のLadyはボサノバ調の軽快なアコースティックAORで彼らの代表曲。間奏で聴かせる爽やかなフルートも絶妙です。ちなみに全てがAOR的サウンドというわけではなく、曲によってはトラディショナル指向が高いものもありますが、それも含めてとにかくナチュラルにハワイアンポップスをやっているのがこのバンドの魅力。この手の90'sコンテンポラリー・ハワイアンの中でも手に入りにくい部類の作品ですが、是非聴いてもらいたい一枚です。その性質上いわゆるAORの作品とは少し旗色が違いますが、洗練されたグッドミュージックが好きな方には絶対のお勧め盤。彼らの作品については駄作がないので、この後もしばらく紹介を続けたいと思います。

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