ここ日本でも「教授」の愛称で知られるプロデューサー兼ラッパー、Large Professor(ラージ・プロフェッサー)が、カナダ出身の兄弟DJであるSir Scratch(サー・スクラッチ)、K-Cut(K・カット)らと結成した1MC+2DJのユニット、Main Sourceによる1991年の1stアルバム。これも僕らと同世代でヒップホップに興味のある方なら知らなきゃモグリな、ゴールデン・エイジ・ヒップホップを代表する一枚ですね。一口にヒップホップと言っても年代や場所によって様々なスタイルの作品がありますが、個人的に最もしっくりくるのがこの作品。程よくポップでありながらストリート感に満ちた極上のサンプリング・サウンドは唯一無二でしょう。特に気持ちよく跳ねたドラムにファンキーな上モノが重なるM-3のLooking At The Front DoorやM-4のLarge Professor、それからM-7のPeace Is Not The Word To Playあたりは彼らの真骨頂。いずれも聴いていると自然とカラダが動き出すキラー・チューンです。また、M-10のLive at the Barbequeは当時弱冠16歳であったNasの初お披露目曲として知られるナンバー。ドラムとビートのみのシンプルなトラックに乗るナズ、Joe Fatal(ジョー・フェータル)、Akinyele(アキネリ)、教授のマイクリレーが心地よいポッセカットに仕上がっており、往年のB-Boyなら胸が熱くなることでしょう。ちなみに2006年の国内リイシュー盤ではオリジナルの12曲のほか、未発表曲を含めた6曲が追加収録。これらのボーナス・トラックの中では何といってもサントラ「White Men Can't Rap」に収録されていた彼らの代表曲Fakin' The Funkが圧巻です。元B-Boy諸兄なら知らない人はまずいないと思いますが、これまでヒップホップに抵抗感があった人にも是非一度耳を傾けてもらいたい一枚。90年代初頭の空気感満載な最高の作品です。
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