付き合いが長い方はご存知だと思いますが、意外と昔から好きなのがヒップホップ。このブログの読者層とは少し違うかなと思い、実はこれまで意識的に取り上げてこなかったのですが、ゴールデン・エイジと呼ばれる90年代前半から20年以上が経過し、この辺の音楽も既に若者音楽という雰囲気ではなくなっているので、これを機に解禁したいと思います。と言うわけで記念すべき(?)第一作目はこの作品。Pete Rock & C.L. Smooth(ピート・ロック&C.L.スムース)のコンビによる1994年の3rdアルバム。往年のヒップホップ・リスナーにとってみれば知らなきゃモグリな大傑作です。ミドル・スクール感たっぷりのアッパーナンバーThe Creatorが収録された1stや、天下無敵なThey Reminisce Over You (T.R.O.Y.)収録の2ndも言わずもがなの傑作ではありますが、トータルの完成度という意味ではやはりこの3rdが一番でしょう。いわゆるフロアキラーなアッパー・チューンこそ収録されていないものの、全編にわたりソウルフルかつジャジーなサンプリングの美学が貫かれており、間違いなくこの時代におけるヒップホップの一つの到達点。M-1のIn The House~M-3のI Get Physicalに至る冒頭3曲の流れがまず曲間のスキットを含め完璧。その後もD.I.T.C.を思わせるファンキーなM-5のI Gotta Love、ラブリーでピースフルなM-10のTell Me、O.C.のBorn 2 Live同じくKeni Burke(ケニ・バーク)のRisin' To The Topサビ前2小節をループしたM-11のTake You Thereと傑作揃い。ラスト付近、M-14のIn The Fleshで、I Get Physicalと同じGeorge Benson(ジョージ・ベンソン)によるIt's Overの別箇所を改めてループさせているのも心憎いですね。50代以上の人にしてみれば、ヒップホップと言うだけで抵抗感があるかもしれませんが、今だからこそ逆にそうした先入観を持たずに聴いてみてもらいたい一枚。名盤中の名盤です。
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