ゴールデン・エイジ・ヒップホップを取り上げるにあたり、どうしても避けて通ることが出来ないのが本作。天才Nas(ナズ)による1994年のデビュー作です。90'sヒップホップとしては基本中の基本となる作品であり、既に至るところで語りつくされている一枚ですが、作品トータルとしての完成度はやはり段違い。全10曲で約40分とLP時代を思わせる短い作品ながら、プリモの愛称で知られるDJ Premierをはじめ、ピート・ロックにラージ教授、それからATCQのQ-Tipなど当時の東側陣営の錚々たる面々が作る傑作トラック群は、今聴いても決して色褪せることがありません。個人的にはL.E.S.ことLeshan David Lewis(ルシャン・デイヴィッド・ルイス)が手がけ、盟友AZ(エーズィー)を迎えたM-2のLife's A Bitchと、マイケル・ジャクソンのHuman Natureを効果的に使った教授作によるM-10のIt Ain’t Hard To Tellが好みですが、その他にもストリート色濃い名曲群がズラリ。特にピート・ロックによるM-4のThe World Is Yoursやプリモが手がけるM-6のMemory Lane (Sittin' in da Park)、Q-Tipが製作したM-7のOne Loveあたりはクラシックとして名高いです。One Loveに関してはThe LG Experienceによる、よりドープでソウルフルなLG Main Mixや、God Father Donが手がけSadat Xを迎えたOne L Main Mixなどのリミックスも有名ですね。最近出ている20周年記念のリイシュー盤ではこのあたりのリミックス作品もボーナス・トラックとして収録されているため、今までヒップホップに触れておらず、これから初めて聴くというような人にはこちらの20周年記念盤がお勧めです。冒頭でも触れましたが、紛うことなく90'sヒップホップを代表する一枚。僕らよりも上の世代では、当時この辺りの音楽を否定していたような人も多いと思いますが、今こうして改めて聴いてみると何か新しい発見があるかもしれませんよ。偏見は捨てて是非一度聴いてみてください。
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