救援本部ニュース437号 2013.3.29
「20㍉まで安全だから早く帰れ」
国と県は、福島県民をどこまで愚ろうするのか
「1㍉シーベルトは震災後の混乱期に打ち出された実現困難な目標だ」(政府関係者)
政府は、福島第一原発事故による避難者の帰還をうながすために、放射線量の年間積算線量を1㍉シーベルト以下から20㍉シーベルト以下に上げる「安全指針をつくる」と3月11日付読売新聞が報じています。
政府関係者によれば「1㍉シーベルトでないと安全ではなく、帰れないという感覚が被災者に生じている」。病院の放射線診断では1回に約7㍉シーベルト被ばくすることもある。「1㍉シーベルトは震災後の混乱期に打ち出された実現困難な目標だ」
佐藤雄平福島県知事も帰還基準の20㍉シーベルトと除染の長期目標の1㍉シーベルトがかけ離れていることが早期帰還と復興を妨げている大きな要因だとして、政府に安全基準の明確化(見直し)を求めたというのです。
「命ではなくカネ」!
いったいこんなことがあっていいのでしょうか。どうしたら、たった1回の放射線診断と1年365日続く被ばく線量を比較できるのか。
「(除染関連費用は)2兆円を超える可能性がある」。すべては「命ではなくカネ」、福島県民の命や健康なんてどうでもいいということではないですか。こんな国や社会は絶対に間違っています。
闘いだけが、すべての人々の命と生活を守る!
3月14日付東京新聞が、福島県大熊町の放射線量の計測ルポを掲載しています。
「民家や商店街、道端の放射線量は、とても帰れるような線量ではなかった。あらためて厳しい現実を目の当たりにした。…
原発から3㌔ほど離れた大熊町役場やJR常磐線大野駅前でも10マイクロシーベルトを超えた。…
毎時0・23マイクロシーベルトで、1年で一般人の被ばく線量限度の1㍉シーベルトに達する。この限度値を物差しに、自分が測った値を見直すと、いまだ線量がいかに高いかを実感した。…
原発から7㌔の(同行者の)木幡さんの学習塾の戸外では5・15マイクロシーベルトで、隣接する母屋の2階の室内は2・14マイクロシーベルトだった。…
除染すれば、それなりに数値は下がるのだろうが、果たして0・23マイクロシーベルトまで下げられるのか。…
木幡さん「とても帰れる状態ではない。高齢者は避難中に亡くなっていく。除染より、新たな場所に移り住めるよう、早く十分な補償をしてほしい」
「命よりカネ」の社会を変える。すべての人々の命と生活を守る。そのために、闘い続けることが必要です。がんばりましょう。
子どもたちの命を守る! 人々のよりどころ、ふくしま共同診療所建設にご協力を.
★当面する闘争スケデュール
★いまこそすべての原発なくそう!全国会議 HP
福島診療所
建設パンフ SunRise第1号 SunRise第2号 SunRise第3号