救援本部ニュース431号 2013.2.26
原爆後と原発事故後。ヒロシマの体験と重なる今のフクシマの現状に危機感をつのらせ、目に見えぬ放射線の恐怖を伝える新作に挑む
昨年暮れに亡くなった漫画「はだしのゲン」の作者、中沢啓治さんの同級生で、壮絶な原爆体験を描き続ける画家の今口賢一さんを、2月17日付東京新聞が紹介しています。
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描いているのは被爆から1年後の光景。…「時を経て表れる影響が怖い。放射線への不安とストレスにさらされている被災者は、原爆症の発症におびえる被爆者と同じだ」
今口さんは6歳の時、爆心地から約2・2㌔の国民学校で朝礼中に被爆。崩れた半鐘塔の下敷きになり意識を失った。頭や足に傷を負ったが奇跡的に一命を取り留めた。…自らの体験については長い間、「思い出すと気がめいる」として、語ることも描くこともしなかった。
転機が訪れたのは44歳、愛する母を亡くした時。母や犠牲者を供養するための被爆絵図を描こうと決意。中沢さんが原爆漫画を描き始めたきっかけも母親の死だった。
被爆直後に阿鼻叫喚の街をさまよう親子。火の見やぐらから逆さづりになり裸で絶命した少年消防士。何度もヒロシマを訪れては悲惨な記憶をたぐり寄せ、21点を完成させた。
そうした中で起きた原発事故。被爆の記憶が脳裏をよぎった。…
「中沢君だったら、国や東電へバカたれが! と怒りをぶつけるような表現をしたはず。私も思いきった描き方をしなくては」と思いを新たにする。…
「原爆を忘れるな!」と訴え、核兵器や戦争のない世界を求めた中沢さん
中沢啓治さんについて、2月13日付毎日新聞は、「記者の目」としての思いをコラム記事にしています。
「中沢さんは、戦争を知らない子どもに分かりやすいように、ゲンで原爆以前の生活の様子や戦争に至る道筋をもっと描きたかったそうだ」
「私がゲンで一番泣いたのは、被爆直後に生まれ、まだ赤ん坊だった妹友子の死だ。…乳の匂いがする柔らかな妹の弔いほど、核兵器のむごさを伝えるものはない」
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フクシマの怒りを踏みにじり、原発政策を進めようとしている安倍政権は、労働者に対する雇用破壊と賃金破壊を本格化させるとともに、中国や朝鮮に対する排外主義をあおり、アメリカとの共同の戦争を現実化する集団的自衛権への踏み込みや沖縄・辺野古新基地建設、そして改憲に突き進もうとしています。無数の中沢さんの思いに応える本気の闘いが必要です。力を合わせ頑張っていきましょう。
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