末光道正のブログ  八尾から日本の政治を変えよう

労働者・市民・学生の団結を強めるコーナーです

福島の子どもたちの命と健康を守るための診療所建設基金アピール

2012-02-28 15:56:18 | #すべての原発いますぐなくそう
 日教組奈良市(奈良市公立学校教職員組合)が主催する、「フクシマと奈良をつなぐ2・25集会」に参加しました。日教組奈良市取り組みの報告に続き、子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク代表の佐藤幸子さんと福島県教組元委員長・福島県退職教職員協議会会長、NAZEN呼びかけ人、国鉄全国運動呼びかけ人の清野和彦さんのお二人から、フクシマからの報告と提起があり、再稼働許さず、全ての原発を廃炉へ、3・11福島県民集会(郡山市開成山野球場)へ駆けつけよう!と訴えられました。
 最後に私から、「福島の子どもたちの命と健康を守るための診療所建設基金アピール」を行いました。予定していた原稿を全文掲載します。


 八尾北医療センターの末光です。
 私はまず、「3月11日原発いらない!福島県民大集会」への総決起を訴えると共に、呼びかけ人の一人として、福島の地に労働者住民の闘う拠点=福島診療所の建設を訴えたいと思います。

 昨年10月10日に生まれて初めて福島に行きました。南相馬に行って見たのは、ブルドーザーとダンプカーが行き来するだけの広大な更地でした。ここで多くの人が殺され、家や土地や海を奪われ、子どもたちが放射能を大量に浴びている。テレビで見た光景が私の頭をよぎり、こんなことは絶対に許せないという気持ちで一杯でした。あそこに立てば誰もがそう思います。

 ところが、3・11のすべてを引き起こした1%の大企業や銀行と野田政権は、昨年12月に「収束宣言」を行い、あくまで原発を再稼動し輸出を推進しようとしています。さらに特区構想で被災地を更地化し安く買占め、雇用と称して仕事を奪われた人々をアジア並みの低賃金で雇い、資本主義の危機を乗り切ろうとあがいています。
 その先頭に医療機関や御用学者がうごめいていることは本当に怒りに耐えません。「笑っていたら放射能は来ない」とデタラメなことを言った山下福島県立医大副学長の下、「放射線医療特区」として新薬と核兵器の開発のために200万福島県民、36万人の子どもたちをモルモットにしようとすることは絶対に許せません。正規職と非正規職を分断し、非正規職労働者を大量に被曝させ使い捨てにする原発は、直ちに廃炉にする以外ありません。

 原発と闘うということは新自由主義と闘うということです。その新自由主義はすでに破産しています。
 世界大恐慌は、ギリシャ危機から国債暴落・国家破産の時代に突入し、資本主義の終わりを告げ知らせています。世界中で、青年を先頭に労働者階級は渾身から決起を開始しています。
 大恐慌と3・11で、日本は資本主義諸国の中でも最も激しい没落の一途をたどり、いっさいを全労働者の非正規職化にかけ、国鉄闘争の解体を先頭に労働運動壊滅を狙っています。ここからJR大再編を軸とする道州制・「復興特区」攻撃という一層絶望的な新自由主義の貫徹にのめりこんでいるのです。
 
 しかし被災地を襲う「復興特区」攻撃、「気がついたときにはもう遅い」という、新自由主義のショックドクトリンの手口は、実はもろいものです。労働者の絶対反対の団結で必ず打ち破れます。
 被災者の命や生活を切り捨て、一切の責任から逃れようとする、東電と政府の責任を追及する闘いの先頭に労働組合が立つことです。動労水戸は被曝列車の運行阻止のためにストライキで決起し、今月いわき市に、闘う労働組合の拠点事務所を開設しました。

 福島診療所は、この拠点と一つになって、「医療特区」攻撃と闘い、「フクシマを返せ」「放射能に未来を奪われてたまるか」という思いと共に、事実を伝え、怒りを団結にかえ、医療をはじめ、住宅、仕事など奪われたあらゆるものを奪いかえす、労働組合と地域のよりどころとなる闘いの拠点です。団結して、36万人の福島の子どもたちの命と健康を守り、すべての原発を停止する闘いです。
 フクシマの未来と希望をかけたこの事業に、全国、全世界の労働者階級の知恵と資金の集中、とりわけ今春までの圧倒的集中が呼びかけられています。みなさん、力を合わせて、福島診療所の建設の先頭に立ちあがろうではありませんか。そして、3・11福島現地に総決起しましょう。

 私がなぜ呼びかけ人になったかの理由をかねて、私たちの闘いを報告します。 
 八尾でも、被災地とまったく同じ「特区」攻撃、道州制・更地化攻撃が地域である西郡を切っ先にかけられています。
 2010年3月、私が所属する建設常任委員会に八尾市が出してきた「市営住宅機能更新計画」に添付された地図には、42棟ある団地の内21棟が茶色に塗られて、これを壊すというのです。西郡の半分を更地にするということです。 

 私たちはこれが国鉄分割・民営化からはじまった新自由主義、道州制攻撃であり、労働組合つぶし・団結破壊が狙いだとつかんで、最高裁で決まろうが、議会で決まろうが、おかしいものはおかしいと、絶対反対の闘いでこれを阻んできました。そこに登場したのが橋下・維新の会です。
 差別は、資本・国家権力による階級分断攻撃です。現業労働者の解雇・賃下げ、処分の恫喝で労働者を分断し、組合の団結を叩きつぶす、それで公務員労働者360万全員解雇をやってしまう、奈良での現業バッシング、「加配」講師解雇攻撃もすべて労働者の団結破壊、橋下の手法そのものです。八尾北・西郡の闘いは、それを真正面から打ち破る力を持っています。

 私が42年前に初めて訪れた西郡は、上下水道もここだけ取り残され、大雨が降るたびに生駒山の水が第二寝屋川に集まって決壊し、井戸とトイレが混ざって伝染病が蔓延、寿命は一般地域の1/3でした。日雇いと鼻緒産業の下請けしか仕事がなく、子どもたちも学校を休んで手伝い、やっと一家が食べられる状態でした。西郡の人々は常に生きるために闘い、戦後、天然痘の大流行で西郡が隔離・閉鎖され、200人の幼い子どもたちの命が奪われた怒りと悔しさの中から、47年2・1ゼネストのうねりと結びつき、ついに51年、金と資材を自分たちで集め、医者も探してきて、命の砦、闘いの砦として西郡平和診療所を建設したのです。ここを拠点に、公営住宅や保育所、桂小中学校、そして82年に八尾北医療センターを建設させました。ところが八尾市はこれらすべてを奪い更地にして売り渡すというのです。

 その始まりが国鉄分割民営化と地対協路線による労働運動、労働組合の団結解体攻撃でした。96年公営住宅法改悪で応能応益家賃制度が導入され、西郡だけでも青年を中心に約1千人が追い出されました。また八尾北医療センターにも大病院への売り飛ばし攻撃がかけられましたがこれをうち破り、2005年から「自主運営」という形態で完全民営化をくい止めています。
 かつて大阪府下に27あった診療所と病院は、八尾北をのぞき全て民営化または廃院、住宅も元々の住民は応能応益家賃で追い出され、更地化されていっています。私たちは、十数年の闘いの中で、八尾北労組を土台に支部と地域住民が絶対反対で階級的に団結し、闘いの拠点を築いてきました。これが卑劣なウソとペテン、給与・年金・貯金の差押え、反動判決、住宅追い出し裁判にも屈服せず、国と八尾市をトコトン追いつめた団結の力です。

 同時に八尾市は、八尾北医療センター明け渡し=廃院・全員解雇の裁判を提訴しました。3月23日結審を迎えます。そして、この1月21日には、八尾北労組執行委員であり西郡支部支部長の岡邨洋さんたち3家族に対し「30日以内に住宅を明け渡しすべての鍵を返せ、さもなくば強制執行する」と通告してきました。
 しかしこれは八尾市の最後のあがきであり、墓穴を掘るものです。私たちは、3月18日に「八尾北・西郡決戦勝利! 道州制粉砕・橋下打倒!全国総決起集会」を、西郡平和診療所発祥の地、幸五丁目第一公園で開きます。団結を八尾西郡から全国へ拡大し、3・11「原発いらない!福島県民大集会」と一体になって、国鉄闘争全国運動を柱に、革命の拠点=地域ソビエトを建設する闘いを開始します。
 いま支部1000名建設の闘いは、とりわけ西郡支部青年部が団結の寄る辺となり、仕事を奪われ、非正規化されて、外に出られない青年達とつながり始めました。団結があるところに希望と生きる勇気が生まれるのです。

 国鉄分割・民営化攻撃と地対協路線に屈服した解放同盟本部や共産党などは、完全に道州制攻撃の先兵に転落しています。しかし現場労働者の背骨は折られていません。八尾北・西郡闘争と結びついた大阪市職青年労働者の絶対反対の決起が始まるや、橋下=維新の会もグラグラになっているではありませんか!
 橋下市長は、労組や解放同盟幹部たちの裏切りの上に乗っかっているだけで、自ら闘いの修羅場をくぐった経験もない存在です。八尾北・西郡決戦に経団連や野田政権、道州制・橋下=維新の会をも引きずり込み、その土手っ腹をうちぬく闘いが3・18です。みなさん!1960年、70年をはるかに超える闘いの時がすぐ目の前にきています。労働者が主人公の社会にしましょう。労働組合にこそその力があります。日教組奈良市が組織拡大して闘う姿がその証明です。ともに闘い勝利しましょう。



★当面する闘争スケデュール

★いまこそすべての原発なくそう!全国会議 HP