■失業率悪化、5.4% 有効求人倍率は最低の0.43倍
朝日新聞 2009年7月31日10時41分
総務省が31日発表した労働力調査によると、6月の完全失業率(季節調整値)は前月を0.2ポイント上回る5.4%で、過去最悪の5.5%に迫る水準となった。厚生労働省が同日発表した6月の有効求人倍率(同)も、前月を0.01ポイント下回る0.43倍で2カ月続けて過去最低を更新した。
企業の生産活動には回復の兆しが出ており、政府は景気の基調判断を3カ月連続で上方修正しているが、雇用情勢は厳しさが続いている。
完全失業率は5カ月連続で悪化しており、02年6、8月と03年4月に記録した過去最悪の5.5%にあと0.1ポイントまで迫った。男性は前月より0.3ポイント高い5.7%、女性は0.1ポイント高い5.0%。
完全失業者は前年同月比83万人増の348万人で、増え幅はこれまでで最も大きい。理由別では、勤め先の都合が同62万人増の121万人と大幅に増えた。自己都合は4万人減の97万人となり、4カ月ぶりに減少した。
有効求人倍率は、ハローワークで仕事を探す人1人に対し、企業から何件の求人があるかを示す。年明けから毎月、0.06ポイント以上の落ち込みが続いていたが、前月の0.02ポイントに続いて下げ幅が小さくなっており、下げ止まりの兆しが出てきた。
正社員の有効求人倍率は0.24倍で、前月と並び過去最低。一つの求人を4人以上で奪い合う厳しい状況が続く。
国が企業の休業手当の一部を助成する「雇用調整助成金」の利用を6月に申請したのは、7万6千事業所で、対象者は前月より4万4千人多い238万3千人だった。
昨年10月から今年9月までに、解雇や雇い止めなどで失職する非正社員は、前月の集計より6千人多い23万人。派遣が14万人と6割余りを占める。同じ期間に失職する正社員は、100人以上の離職事例の集計だけで4万1千人だった。