商社マン-東京→ニューヨーク→東京→Liverpool→東京→Ann Arbor→Austin日記

07年8月から5年間NY、帰国して2年半東京、その後何故か英国Liverpoolに。。引き続き思った事書いて行きます。

「No Direction Home」~Bob Dylanの映画を見て

2006-01-03 13:06:03 | Weblog
新年初の更新。ブログを日記代わりにつけ始めてもう一年弱になる。ついつい自分が書いてきた事を読み直してみて、「あれ、こんなこと考えたっけ?」と「こんな内容の本だったかな?」と思うことが多く、自分のことなのに結構楽しめた。人間の記憶は曖昧だというけど本当にそうだな。自分のことですら確信がもてなくなってきた。。。でもおかげでこのブログをつけている意味を感じ、今年もちょろちょろつけていこう、と思っている。

さて、昨日時間があり、ふと思い立ちBob Dylanの記録映画である「No Direction Home」を見に行った。記録映画といっても扱っているのはデビュー前から66年のバイク事故までのほぼ5年間くらいを綿密に振り返っているという、Dylanファンにとっては必見、だが興味のない人、Dylanを知らない人にとってはどうでもいい、という内容だった。もちろん僕は前者。

一月二日から二部構成、計200分超の記録映画を見ようという人はさすがに多くないらしく、こじんまりとした映画館は2-3分くらいの入りだった。

内容はというと、当時のDylanのライブや記者会見を含む様々な映像に、現在のDylanや、Dylanにまつわる人(ジョーンバエズとか、アルクーパーとか)の回想が絡みながら進行していくという内容で、色々な現象についてDylan本人や周りの人々の感想が聞けて面白かった。

一番圧倒されたのは、映画冒頭のロンドンロイヤルアルバートホールでのライブでの「Like A Rolling Stone」だった。65,6年のもっとも神がかったDylanの演奏はCDのそれとは比較にならないほどテンションが高く、体に電気が走るほど感動した。Dylan自身も映画の中で「レコーディングはライブを越えられない」というような発言をしていたが、これを聴くと「そのとおりだろうな」とうなずくしかない。しかしすごい。。。

他の面白かったのは、Dylanがエレキを使い始めたとき、「商業主義に走った」と非難されたわけだが、その非難を受けてDylanほどわが道を行く、という感じの人でさえやっぱりかなり傷ついていたことだ。それでやめなかったところはさすがに大したものだと思うけど、人間ぽくて面白かった。

しかしね、そのDylanの「転向」に対して当時の多くのリスナー達がインタビューに答えて「最低だ」とか「吐き気がする」とか言っているんですね。でも今現在のDylanの評価を見ると誰が何と言おうとDylanの時期的なピークはまさにその「転向」期にあったわけで、本当に人の言うことなんて当てにならないな、と思った次第。

とにかくDylanファンは必見だな。
コメント
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