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【リフレ派の使命:最悪現象インフレを良いことと信じ込ませること】中央銀行はインフレファイターであるべきだ⑤

2019-06-17 00:04:25 | 世界共通

前回からの続き)

 FRBをはじめとする各国の中銀が競うかのように次々と利下げに踏み切る(あるいは踏み切ると推測される)様子を「緩和競争」などと呼ぶわけですが、中銀は本来インフレファイターであるべきとする本稿の見方からすれば、これ利下げを含む緩和策を講じた方が負け、すなわちインフレ抑制に失敗したということになるわけです。利下げ、そしてもっと強烈なQE(量的緩和策:中銀が国債等を買い入れておカネを市中に放出すること)を含む金融緩和策は、抑え込まなくてはならないはずのインフレを、マネー増発で煽り立てる策になるわけですから。他方で緩和競争の勝者は、緩和策すなわちマネーのバラマキに過度に頼らずにインフレを抑制できた中銀、ということになりますね。

 なお、ここでいうインフレをもう少し理論的に定義するならば、インフレとは実質金利がマイナス、つまり物価上昇率が名目金利を上回る状態だということ。超単純化していえば、銀行の預貯金金利(≒その国の国債金利)が年3%のところ、インフレ率が5%であれば、手元の100円は一年後103円に増えても、物価が同105円になってしまっているから、実質はソンをする状態です。逆に、物価上昇率が5%でも名目金利が7%であれば、差し引きの実質金利は2%のプラスだから、実質は同107円マイナス同105円の2円分、利益を得ることになります。と考えると、インフレファイターとしての中銀の政策目標は、実質利回りがプラスとなるように誘導することであり、そして死守するべきは実質利回り(=名目金利-予想インフレ率)がゼロとなるライン、すなわち俗にいう「ゼロ金利政策」になるはずです。ここが中銀の政策の限界です、インフレをネガティブに捉える「伝統的金融政策」の範疇では・・・

 現在、このゼロ金利という限界ラインを踏み抜いて「」に落ちていくマイナス金利政策が大手を振るっています。これを「非伝統的金融政策」なんていいますが、本稿の文脈に沿っていえば、これ、つまりは、バブル崩壊とこれに伴う金融システムのメルトダウンに耐えられない(国家財政が吹っ飛ぶ)のでインフレ(=マイナス金利状態)を継続させたいけれど、それをはっきりと口にしては中銀として終わってしまうので、このあたりを高度な政策っぽく表現することで正当化しようというものといえます。そしてこれを支持する経済学界のリフレーション派とは、インフレという最悪の経済現象を人々にポジティブなものだと信じ込ませる(?)にはどのような言い回しが洗練されていて好ましいか?を必死になって研究(?)する人々の集まりだと理解しています。ということで,この手の金融政策において聞かれる「異次元」とか「リスクプレミアム」などといったカッコ良さげ(?)なワードの本質は、何てことはない、単に中銀がインフレ抑制に失敗したことのスマートな(?)言い訳に過ぎないことが分かるわけです・・・(?) 

 以上により、当該中銀が(実質的なマイナス金利政策で)インフレを許容した国々の人々の生活レベルは・・・当然ながら悪化していくことになります、所得の伸びや預貯金金利などを上回る物価上昇によって・・・

(続く)

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