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【米イランの対立、中ロ両国はイラン寄り、というわけではない】中国もロシアもアメリカ陣営だ①

2020-01-13 14:25:45 | 世界共通

 「米 vs. 中ロ」なんて単純な図式はもはや成り立つことはないでしょう。けれどこれならあり得ますよ、「米中ロ vs. ・・・」・・・

 アメリカの一方的な核合意離脱から始まった同国とイランとの対立は、アメリカによるイラン軍ソレイマニ司令官の殺害、これへの報復とするイランによるバグダッドへのロケット弾攻撃、そしてイラン軍が同国発のウクライナ旅客機を誤って撃墜するなど、ここのところ短期間で新たな展開を見せているところです。他方、アメリカ・イランの双方に事態のこれ以上の悪化は避けようとする抑制的な姿勢も感じられ、マーケットの微妙な動きと合わせ、このあたり何ともフクザツな(?)舞台裏が垣間見える印象です。

 そうしたなか昨年末には、イラン中国及びロシアの3か国が、インド洋のオマーン湾海域(つまりペルシャ湾・ホルムズ海峡のずっと外側)で海軍の軍事演習を行いました。中国の報道官によるとこれ「3か国海軍の交流を深め、世界平和と海上安全を共同で守る」ことが目的であるとのこと。同国そしてロシアは上記の核合意尊重の観点からアメリカの対イラン制裁等には従来から反対のスタンスにあり、ゆえにこのへんをふまえてアメリカと、中ロそしてイランの両者対立の絵を描くメディアが少なくないように思えます。

 まあたしかに、20世紀の冷戦思考ではそうなるでしょう。アメリカの戦略に中国そしてロシアがネガティブな姿勢を示しているのですから。しかしいまは21世紀、そんな古いステレオタイプな(?)目で見るわけにはいきません。つまり中国ロシアも、現在はそれぞれの思惑で、はっきり言えば自国の「利益」のために動いているのであり、互いを革命の(?)同志と認識しているわけではない、ということ。今回のイランの件は、たまたまそのあたりが合致し、というより、まあこのくらいなら一緒にやってもいいか程度の意識で演習をやったものと推察されます(ってイランには、オレには中ロが付いているんだぞ、ってあたりを見せつけたい、といった、もっと切実な面もあるでしょうが・・・)。

 さて、中ロ両国の利益とは何でしょう。そのあたりは両国の貿易構造を見れば分かるというもの。まず中国ですが、「世界の工場」などと呼ばれることがあるように、いまやモノ(≒消費財)の輸出ではご存知のとおり世界一です。そしてロシアは石油天然ガスの、これまた世界トップクラスの生産・輸出大国です。その結果としての貿易黒字額、すなわち貿易による利益のランキングでは中国が世界1位、ロシアは同3位となっています(2018年)。

 では、中ロ両国の利益とは具体的には何か、ですが、それは・・・「ドル」というアメリカの通貨になります。両国は(自国民の生活レベル向上はさておき、まずは)モノや石油を外国に売って、対価としてドルを大量にもらって喜んでいる、ということです・・・

(続く)

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