三栄無線のプリアンプ PR‐300の点検をする。
出力にDC40Vが出るのは、カップリングコンデンサーの劣化かと思い交換。
回路は 12AU7 一段増幅 + NFB
GUDEMANのオイル0.1μFをVISHAYにする。
測定するとDCはやはり出てる。
回路を見直したらプレートからカップリングコンデンサーで出力なのだが、抵抗がパラになっている?
NFBが無い。取り付けミスだ。
取付前の状態と修正後の状態を測定してみた。
左が修正前。歪率は思ったほど良くならない。1Vで1%切ってるから良しとするか。
緑が修正前。F特もなぜかあまり良くは無い。
今鳴らしている。
DAP直でパワーを鳴らした時の音が特に良かったのでプリを通すと少し劣ってしまう。
音場が横に広がり上下に広がらない。
解像度も上がった感じで、全体にパリッとしてる。オイルコンを外したのは失敗かもしれない。
パワー単体の時は、レトロな鳴り方だった。それが少し現代に来た感じ。
パワーの特質を削いでしまった気がする。
あの八王子で聴いたオイロダインの木質な鳴り方。あれはアンプの特性が出てた様な気がしてきた。あれに少し似てる。サブとしては面白い。
それから音場が広がったと思う。
以前は上のようなこじんまりした方の音場だったが、今回は広がった。
スピーカーを鳴らしきる方向の音場だ。
6SL7ではインピーダンスが高かったのかな、310Aで下がったかな、なんて思う。
プリと合わせて聴いているが、このプリ、もっと もやっ としてると思ってたがそんなことは無い。結構現代風な音作りだ。
そしてパワーと組み合わせると不思議な音がする。
もっと心地よい、官能的な弦の音色を出すのかと思ったが、そういう特徴は全くない。
HiFi、と言うには惜しいが、忠実な音の出し方をしている。
曇ってるとかSNが悪いとか、伸びていないとかのネガティブな表現は当てはまらない。
POPSはいまいちだったが、クラシック、小編成の弦楽なんてのめりこんでしまう。
これが神格化された真空管のアンプの音なのかもしれない。
以前は音量を上げたくなるアンプが良いと思ってたが、最近は音量を下げても聴けるアンプが良いと思う。
20201112