いま、メインのシステムで聴いている。フォノイコは2段目3段目にカソードパスコンを追加したものだ。分析的に聴くと低音が少ないかも知れない。ただ、ながら聴きでは気にならない。もしかしたら良いバランスなのではと思う。
前に鳴ってた、パスコンの無いときは中音がもっと広がって、一音一音も浮き上がってたが、あれは薄れてしまった。今はごく普通の音。それでいて飽きることのないバランス・鳴り方。凄みは無いし、システムの特徴:一言で言えば、というのが無くなってしまった。ただし、そこに音楽が鳴っている。オーディオマニアもここまで鳴らせるのだ。でも他人が聴いたらメタボロに言われんのかもしれない。
何というのか、浸透力。いま、非常に軽い鳴り方をしてる。薄いではない。軽やか。なんのストレスも無い音の出方。ああ、過去最高の音だ。さりげない。迫力とか、重低音とかは無い。それぞれの楽器が何の色付けなく出てる。
思えば私の音作りは何なのだろうか。第一は透明感。低音を無くすと出てくるが、これはやりすぎると肉感のない、痩せた、病的な音になる。一時期そんな音に満足もしていた。しかし今は違う。出るものは出さなければならない。そのうえでチューニング。ジェームズさんのスピーカーのように薄くは無い。実在感が有り、出来れば広い音場。これらは目指すものではないと思う。まともに、まっとうにチューニング、設計された回路を持ってくれば結果として出てくる。決して位相ずれのような広さは出ないが、十分な広さが出る。決して透明ではないが、楽器のニュアンスが解る。最近はこんな感じかと思う。
今回フォノイコの音がコロコロ変わった。今思えばエージングが済んでなかったのではないか。その中で弄ってしまったので迷ってしまったのだと思う。
今の音は凄さは無いが自然な音。
クープランの墓を聴いている。寂しくなる曲だが、良い曲だ。改めてそう思う。