(つづき)
3月17日の改正で、「
新宮急行」の朝の都心行きの一部の便に、
呉服町ランプ、昭和通り、天神経由で大濠公園まで運行されるものが「復活」した。
画像は、当該路線の天神における表示。
以下、
以前の記事を引用、加筆して、今日的にアレンジしてみる。
天神から終点の大濠公園までは全てのバス停に停車する訳で、「急行」と言われてもどうも違和感がある。
もともと、「新宮急行」の「急行」というのは、「赤間急行」から派生してきた名称だと思われる。
「赤間急行」のように、天神バスセンター始発ではないものの、都市高速に乗るまでにいくつかのバス停(天神四丁目、
博多五町)を通過し→香椎東ランプで都市高速を降り→そして
国道3号を走る…という事象に共通点が見出されて「急行」が付いたという感じである(とはいっても、使われている車両は全く違うし、赤間急行のようなクローズドドアもないんですけどね)。
そして、「赤間急行」の「急行」というのは、「天神四丁目」「博多五町」という市内のバス停を通過する事実以上に、道路の規格が通常よりも上で、バス停とバス停の間隔も長い国道3号(香椎バイパス~
宗像バイパス)を走る事実に対して付けられた(「種別」ではなく)「愛称」的な側面が強いと思われる。
このように、「急行」「直行」などの優等種別の名称は、「種別」のように見えて、実は「愛称」や「イメージ」の意味合いが強いというケースが結構ある。
にもかかわらず、バスの行先表示や時刻表上はあくまで「種別」として扱われているために、実態をうまく反映できないケースがで出てくると思う。
新宮から来た「新宮急行」は、天神郵便局前に着いた時点で、「種別」としても「愛称」としても、もはや「急行」ではなくなっている訳だから、天神で「急行 大濠公園行き」というのはかなり不親切であり、「23番」などに番号を変えるか、もしくは「急行」の文字を消して「無番」にしてしまうなどすべきだと思うし、
時刻表でも「急行」として独立して扱うべきではないと思う。
無理やり「荒戸一丁目」を通過させるなどして「急行」の体裁を保つという手もあるのかもしれないが、それは本末転倒な気がするし…。
一方、「新宮急行」は、郊外行きの産業大学南口
→新宮中央駅東口・IKEA前→新宮緑ケ浜間においても全ての停留所に停車する訳なので、その区間で「急行」を掲げて走ることもまた問題なのでは?という意見もあるかもしれない。
たしかにその通りではあるのだが、都心部(天神→大濠公園間)においては、「急行」と、「
22番」「
23番」「
32番」「
34番」などの「普通」便の間には実際には何の差もない(=完全なる代替性がある)にもかかわらず異なる「種別」で運行されている事態が発生しているという点、及び、都心部ではバスに不案内な人の割合が高いと考えられる点などから、郊外部よりも問題は大きい気がする(まあ、「急行」の大濠公園行きは朝の数本だけなので、それくらい目をつぶれば?という考えもあると思うのですが)。
ただ、そうなってくると、もはや「新宮急行」が「急行」を名乗ること自体に限界があり、「
230番」など、何らかの番号に変える時期に来ていると見ることもできる。
しかし、
IKEA福岡新宮のオープンに際し、
IKEA行きのバスとして「急行」を大々的にアピールしてしまったため、この外的要因により、機が熟していた変更の機会を図らずも逃してしまった感がなくもない。
(つづく)