INSIDE SORAMAME

私の頭の中のキオクを綴っていくつもりです・・

チラシのオモテ(46)

2009年06月20日 |    ┣ チラシとキロク
(つづき)
2005年(平成17年)3月1日改正時における、福岡市西部と都心部を都市高速道路経由で結ぶ「500番台」のチラシ。
地下鉄七隈線の開業がこの年の2月3日であることから、事実上、地下鉄への流出阻止を狙ったものといえる。
なお、このチラシには「501番」「503番」はフィーチャーされておらず、また、「507番」と「502番」の登場はこれよりもまだ後である。

天神、博多駅から郊外部向けの、当時と現在の運行本数(平日)を比較してみると…
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(当時)
天神ソラリアステージ前発
 「504番」 新室見、橋本経由野方行き        … 12本
 「504番」 新室見、橋本経由野方(生松台団地)行き… 28本
 「505番」 新室見、拾六町団地経由野方行き    … 34本
 「506番」 大町団地、ウエストヒルズ経由野方行き … 17本
博多駅交通センター発
 「514番」 新室見、橋本経由野方行き        … 19本
 「515番」 新室見、拾六町団地経由野方行き    … 18本

(現在)
天神ソラリアステージ前発
 「504番」 新室見、橋本経由野方行き        … 8本
 「504番」 新室見、橋本経由野方(生松台団地)行き… 28本
 「505番」 新室見、拾六町団地経由野方行き    … 8本
 「505番」 新室見、拾六町団地経由壱岐丘中行き … 26本
 「506番」 大町団地、ウエストヒルズ経由野方行き … 31本
 〔参考〕「507番」下山門団地経由三陽高校行き   … 25本
博多駅交通センター発
 「514番」 新室見、橋本経由野方行き        … 10本
 「515番」 新室見、拾六町団地経由野方行き    … 10本
 「506番」 天神、大町団地、ウエストヒルズ経由野方行き…31本
 〔参考〕「507番」天神、下山門団地経由三陽高校行き…25本

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となっている。

七隈線開業時における茶山・七隈地区を対象としたチラシでは、地面から顔を出したヘルメットを被ったモグラが「けっこう多いネ」と言っているイラストがあった。
こちらのチラシにも同じモグラが出てくるのだが、こちらのモグラは「けっこう早いネ」と言っており、地区によって巧みに台詞を使い分けている。
また、イラストでは、バスの乗客が「博多湾が絶景!」と言っていて、モグラ(≒地下鉄)を挑発(?)している。

当時から現在の間に、「505番」には「藤ケ丘団地(壱岐丘中学校)行き」ができている。

また、これより後(2005年11月1日。なお、当時の自作路線図には誤りがあり)に「507番」が「天神~都市高速~愛宕ランプ~愛宕南~車両基地東~下山門~中村~野方」というルートで運行を開始し、さらにその後(2006年11月1日)、昭和バス城の原線(下山門線)の代替の役割を担って「~中村~下山門団地~小松原~生の松原団地~三陽高校」というルートに変更となり、またさらにその後(2007年5月1日)「1-7番」廃止を受けて「~愛宕ランプ~愛宕南~車両基地東~下山門~」から「~愛宕ランプ~姪浜駅南口~都橋~下山門~」に経路が変更となっている(下山門団地、城の原団地内の経路も同時に変更)。
「507番」が姪浜駅南口経由になるのに伴い、「愛宕南」に停まるバスがなくなることから、それまで姪浜ランプ経由だった「506番」が愛宕ランプ経由に変更になっている。

「天神発」の本数は、同じく七隈線と競合する「501番」が大きく減らしているのと比較すると、地域全体としてみた場合には、七隈線開業時点からはむしろ増えている。
一方「博多駅発」については、呉服町ランプから都市高速に乗る「514番」「515番」はほぼ半減となっている(運行時間帯も、終日運行から通勤・帰宅時間帯中心に)。
ただ、当時から現在の間に「506番」(その後にできた「507番」も)が、「204番」などとの連続運行から博多駅発着に変更となっており、本数的には「514番」「515番」の減少をカバーしているが、「506番」は国体道路~天神を通るため、所要時間の面からみると完全な「代替」とは言い切れない。

これらの事実だけを踏まえれば、橋本駅から七隈線で直接つながっていない博多駅へのバスの利便性は低下し、七隈線で直接つながっている天神へのバスの利便性は向上している…という捉え方もできそうである。
ということは、バスと地下鉄は「協調」に向かうのではなく、より「競合」に向かっているといえるかもしれない(ただし、地下鉄空港線姪浜駅や、「501番」「502番」「503番」「九大急行」との関係など、もっと総合的に見ないといけないとは思うが)。

“都市高速道路の天神北ランプや呉服町ランプから天神地区にかけての大渋滞の解消を図ろうとするのであれば、橋本駅に限らずその他の駅でも、地下鉄とバスとの結節機能を充実させて、都心部に乗り入れるバスをいかに減らせるのかを本気で論議する必要があるだろう。
天神地区全体の渋滞緩和が実現できれば、高速バスなどの定時運行、それに伴う他の交通機関との競争力向上も期待できるし、天神地区の魅力の維持・向上が図れれば、長期的に見て結果的には西鉄にとっても大きなメリットがあるはずである。
利用者の視点にたった歩み寄りを期待したいけど、現実的には難しいんだろうな…。”
…と書いたのは約4年前のことなのだが、この考えは現在も変わらない…ということは、この4年の間に目立った改善がなかったということなのかもな…。
(つづく)


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2 コメント

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Unknown (Tokyo Chikushi)
2009-06-19 10:20:28
福岡を離れている者の意見を一つ。

東京に住むようになった当初便利だと思ったことは、電車をいくつか使って、速くかつ予定時刻に目的地に着くこと。バスに乗るのは、電車に乗るまでの1~2km内外の距離。しかもバスは割高だから、乗らずに歩くことも多い。
これを便利で心地よく感じたのは、最初の1~2年のみ。以後は都心までダイレクトに行けないことの不自由さ、不快さを感じており、現在に至ります。
東京育ちの人の意見は、他都市に住んだことがあるか否かによって分かれます。福岡に住んだ経験のある人は一様に乗り換えなしに天神(または博多駅)に行ける快適性を言います。東京以外の経験のない人は東京の状況しか知らないという感じです。
都心まで乗り換えることなく(特に地下までもぐっての乗り換えをせずに)、行くことのできる福岡の快適性を維持してほしいと思います。
天神周辺の渋滞解消は、バスを減らすのではなく、もっと別の施策で達成してほしいものです。

とは言え、福岡での通勤で、天神までのバスでは時間が読めなくて困る、と言う意見もあるようですので、通勤時(特に朝)のバスによる地下鉄へのフィーダー機能というものはあってよいと思います。ただ、通勤となると定期を買うでしょうから、選択の自由度は減りますね。

東京では、昭和50年代前半にそれまで郊外から都心まで通して走っていた多くのバス路線が一気に短縮され、郊外からのバスは山手線の駅までの運行となり、さらにその後も徐々に短縮され、近くの私鉄駅までの運行となってしまいました。結果、乗客からみると交通機関の選択肢がなくなり、快適性が損なわれました。

福岡にその轍を踏んで欲しくない。
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Unknown (soramame)
2009-06-19 18:00:39
Tokyo Chikushiさん、こんにちは。

市場規模、事業者の数、鉄道網の密度、市街地の連坦性、都心の「核」の数、都心と住宅地の距離、税収…などなど、福岡と東京では違いがありすぎるので、個人的には、東京に福岡の「便利さ」を求めるのは酷のような気がするし、また、福岡が東京のようになるべきとも思いません。
私の考えは、東京をモデルにすべきということでは決してなく(モデルにしようにも格が違い過ぎます…)、要約すれば、もっと資源の適正配分という観点から考えるべきでは?ということでしょうか。
多額の税金を使って作ってしまった七隈線が現にあり、それが十分に利用されておらず、これを放置すれば結局は市民に負担が跳ね返ってきてしまうという現実があることも、東京との大きな違いといえるかもしれません。

また、バスを減らすだけで天神の渋滞解消が達成できないのは言うまでもなく、都心部への自家用車の乗り入れ制限なども総合的に行う必要があると思っています。
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