なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

戻ってきた

2021年10月30日 | Weblog

 先週の月曜日に地域の基幹病院呼吸器内科に搬送した左膿胸の90歳男性は、胸腔ドレーンを挿入して洗浄の処置を受けていた。

 月曜に搬送して、木曜日には当院に戻したいという連絡が来ていた。今週の月曜日に胸腔ドレーンを抜去して、火曜日に戻ってきた。胸部X線でみると、左肺全体の病変が半分くらいには軽減していた。

 引き続き抗菌薬を継続して、画像や炎症反応をみて、途中から抗菌薬を内服に切り替えてもよいとあった。戻ってきたが、食事摂取はあまりできず、まだまだ軽快していくには時間がかかりそうだ。

 家族もこれ以上の治療は希望していない、と記載されていたのは、その後は当院で最後まで(最期まで?)診るようにということだろう。

 

 先週の土曜日に、やはり基幹病院外科に搬送した上腸間膜動脈症候群の91歳男性は、搬送後にうまく消化液が通っていた。2日間NGチューブから800ml、900mlと吸引されたので、通っていないと判断したが、それが効いていたのかもしれない。

 相談していた当院の外科医にその旨を話すと、救急車に揺られたのが効いたのかと、冗談半分に言っていた。ただ、水分摂取後に嚥下調整食2-1まで上げた状態で戻された。少しずつ食事形態を上げていかないと、また十二指腸水平部で動脈に挟まれてしまう。(家族には、そのまま自宅退院でもいいといわれたそうだ)

 臥位にすると動脈に挟まれるので、食後は座位を保つようにして、それ以外の時も半座位を保つようにする。消化管運動薬も効くかどうかわからないが、内服してもらう。

 診療情報提供書には3行の記載で、保存的に軽快とだけあった。どうして送ってきたのか、という感じだった。結果的には、もう少し当院で粘るればよかったことになる。

 

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