なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

進行胃癌

2021年10月21日 | Weblog

 月曜日の内視鏡的胃瘻造設術の後に、別の内科医からの依頼で、79歳女性の上部消化管内視鏡検査が行われた。

 患者さんは79歳女性で、食事摂取不能・体動困難でその日の午前中に救急搬入されていた。救急当番の内科医が診て、腹部CTで胃壁肥厚と腹水を認めていた。食道は胸部まで拡張して消化液の貯留がある。

 この患者さんは前の週に、内科クリニックから食欲不振で当院の消化器科外来(大学病院医師担当)に紹介されていた。9月から嘔気・嘔吐が続き、口の中に酸っぱいものが出てくる、と訴えていた。

 外来で腹部単純X線を行って、PPIと大建中湯の処方で2週間後に再診としていた。症状が続く時は、上部・下部内視鏡検査を、と記載されている。すでに1か月以上症状が続いているので、その日のうちに内視鏡検査(まずは上部)でよかったと思う。(消化器科医が、あとで大学医師に経緯を報告していた)

 内視鏡検査の結果は胃体部から胃角部まで全周性に壁不整を認めた。分類としてはⅣ型のスキルス癌相当だろう。食道が拡張して消化液が貯留している。

 前庭部から幽門輪は異常がなかった。胃の蠕動運動は保たれていて、内腔狭窄としてはないはずだが、食事摂取できないのだった。心房細動でDOACを内服していたので、生検は1個だけ慎重に取ったそうだ。

 治療は難しいと思うが、家族に診療情報提供書と画像の資料を持たせて、地域の基幹病院かがんセンターの外科外来で相談してもらうことになる。

 

 

 

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