なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

COVID-19の後遺症

2021年10月06日 | Weblog

 9月半ばまでCOVID-19で入院していた43歳男性が、倦怠感・呼吸困難感で受診した。

 受診時に37.3℃の微熱があり、発熱外来扱いになった。発熱外来は新型コロナの抗原定性検査(またはPCR検査)をすることろかた始まる。この場合どうかとは思ったが、型通りに行ったが、陰性だった。

 退院後は、隔離された病室から解放されたこともあり、調子がよかったそうだ。その後、倦怠感と呼吸困難感が気になるようになった。

 もともと気管支喘息がある。吸入ステロイド(ICS/LABA)を使用しているか訊くと、ちゃんと使っているという。呼吸困難は特に夜間~朝方に出現するというわけではなく、喘鳴もない。酸素飽和度は98%(室内気)だった。

 ずっと一日中呼吸困難を感じているわけではなく、感じる時と感じないときがある。呼吸困難感、なのだった。画像検査と血液検査を行った。

 

 白血球7500・CRP0.9とわずかだが上がっていた。入院時は白血球7300・CRP0.8で、3日後の再検で白血球6500・CRP0.4と推移していた。

 入院時はDダイマー0.8・血清フェリチン1502・LDH262だった。上昇していた血清フェリチンは3日後に1264と低下して始めていた。解熱していたので、その後は検査を入れていなかった。

 今日は、Dダイマー0.9・血清フェリチン731・LDH201だった。重症化指標として明らかに上昇しているとはいえない。むしろ低下しているが、まだフェチチンが高いのが、意外だった。

 入院時の胸部CTでわずかにすりガラス陰影があったが、入院中は再検していない。今日は右中葉にすりガラス陰影が少しあって、ちょっと驚いた。

 入院後に陰影が増加していて、それが軽快してきた可能性も考えたが、通常は線状の硬い陰影になるはずなので、新規に出現した陰影なのだろうか。

 肺炎の外来治療に準じて抗菌薬内服で1週間経過をみることにした。

 

 新型コロナで注目される単球だが、入院時は15.0%と上昇していて、3日後は11.5%に低下していた。今日は8.7%でまだ若干高い。

 発症は9月5日だったので、1か月経過している。県内の病院で新型コロナの後遺症を診る病院があるか、先週保健所に訊いてみたが、それはないそうだ。

 

 

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