なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

甲状腺機能低下症

2021年10月16日 | Weblog

 水曜日の当直の時に、食欲不振の82歳女性が家族(息子2人)に連れられて受診した。同じ症状で先週当院の内科外来を受診していた患者さんだった。

 1週間前からの食欲不振を訴えて受診していた。両側下腿の浮腫もあった。嘔気や腹痛はないが、倦怠感があり、食欲がわかないらしい。

 内科新患をみていた内科の若い先生が診察した。血液検査で甲状腺機能低下を認めた。TSHも低下していて、二次性あるいは三次性になる。

 すぐに治療(甲状腺ホルモン補充療法)を行わなかったのは、ACTH・コルチゾールの結果をみてからと考えたようだ。副腎皮質ホルモン低下もあると、甲状腺ホルモンを補充するとショックになる可能性がある。

 2週間後の外来予約としていたが、ちょっと間が空きすぎている。外注検査は3日くらいで出るはずだ。副腎皮質ホルモン低下の可能性があれば、短期間合わせて補充する手もある。

 

 当方が診た時には、外注検査の結果が出ていて、ACTH・コルチゾールは正常域だった。下垂体を確認したい。放射線技師さんと相談すると、その週はMRIの担当だそうで、日中の混んでいる時間よりは、今からする方がいいという。

 頭部MRIの結果は、脳委縮が目立つだけだった。画像上、下垂体に異常はなかった。

 入院して、甲状腺ホルモン補充と点滴で経過をみることにした。院内のチラーヂンSは50μg錠しかない。少量から始める必要があり、慎重にするのだと25μg錠(入院で出すときは取り寄せになる)の半錠もあるが、50μg錠の半錠で開始とした。

 入院後は普通食のご飯ハーフ食(1600kcal)にしたが、思ったより食べている。翌日訊いたところでは、倦怠感が少しいいという。前夜に1回内服しただけなので、入院した安心感で言っているだけかもしれないが。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする