なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

バイパス術後の胃瘻造設

2021年10月20日 | Weblog

 月曜の午後に、消化器科医といっしょに空腸癌の患者さん((79歳女性)に内視鏡的胃瘻造設術を行った。(当院の消化器科は1名のみ)

 当院の消化器科外来から地域の基幹病院に紹介して手術になったが、腹腔動脈への浸潤があり、切除術ではなくバイパス術だけになった。

 空腸癌はトライツ靭帯の部位にある。バイパス術は十二指腸と空腸で行っていた。胃空腸(癌の肛門側)吻合術だと、胆汁・膵液が胃内に逆流するのでよろしくないのだろう。

 ただ内視鏡を入れると、食道~胃に胆汁の逆流が目立った。バイパスはうまく機能しているのだろうか。

 

 バイパス術後も食事摂取は進まず、当院に転院してきた。高カロリー輸液にするのもあるが、息子さんが在宅で介護したいと希望されていた。

 在宅での高カロリー輸液もあると思うが、消化器科医は胃瘻造設による経管栄養を選択した。胃の位置が横位であり、また術後でもあり、穿刺できる部位は限られていた。

 穿刺が無理なら無理はしないという方針で臨んだが、幸い胸骨の剣状突起近くのぎりぎりに造設できた。3日後から水や栄養剤を注入開始となるが、うまくいくだろうか。結局高カロリー輸液になるような気もする。

 

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