なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

ヘルニア嵌頓・腸閉塞

2021年10月18日 | Weblog

 昨日の日曜日に病棟から連絡があった。急性腎盂腎炎で入院している93歳女性が前夜から腹痛。腹部膨満があるという。

 2週間前に急性腎盂腎炎で入院した。尿培養からKlebsiella pneoumoniaeが検出された。入院時からのセフトリアキソンで解熱して、検査値も軽快していた。

 ところが先週の火曜日に1回嘔吐した。腹痛はなく、そのまま絶食で1日経過をみて治まったので、食事を再開していた。また木曜日に1回嘔吐したが、その後治まっていた。

 前夜からの腹痛は続いていたが、自制可で鎮痛薬の投与(アセリオ注)はしていなかった。連絡を受けて、17年前に大腸癌の手術歴があり、下腹部正中に手術痕があるので、癒着性腸閉塞を来したかと思った。

 午後から病院に来て、腹部CTを行った。腸管の拡張・壁肥厚と消化液貯留があり、腸閉塞の像を呈していた。CTが下まで進むと、右鼠経ヘルニアが描出された。これは予想外だった。

 CT後にその目で鼠径部をみると、見た目ではさほどの腫脹はないが、確かに腫瘤が触れる。整復できそうもなかった。

 地域の基幹病院の外科系の担当医(整形外科医だった)に連絡すると、外科と相談して返事をしますと言われた。15分ほど待つと、受け入れ可能と返事がきた。ありがたく搬送させてもらった。

 転院依頼の前に、家族の連絡先一番の長男嫁が出て、隣県に出かけていて今から戻るところだったという。肝心の長男はどこかへ出かけているはずだが、わからないという。実際電話をしても出なかった。

 搬送可能となった時点でまた長男嫁に連絡して、直接先方の病院に行ってもらうことにした。出先からは1時間ちょっとかかってしまうが仕方がない。

 嘔吐した時にCTを撮影していれば、その時点でわかったかもしれない。1回嘔吐した後に、けろっとしているのでそこまでしなかった。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする