肺炎・心不全で入院した83歳男性(9月24日記載)のその後。
高γグロブリン血症で提出していた血清免疫電気泳動は、IgMλ型M蛋白陽性という結果だった。多発性骨髄腫(疑い)として血液内科紹介となるが、当院から一番近いのはがんセンターだった。
血液内科に紹介して、精査治療するかどうか決めてもらうことになる。しかしこの患者さんは、認知症で移動は車いすというADLだった。尿閉で尿カテーテルが留置されていて、糖尿病のインスリン注射は施設でしてもらっている。
精査治療は難しいのではないか。特に症状があって、困っているわけではない。紹介してもそのまま経過をみてください、といわれそうだ。骨髄腫の治療は進歩しているが、再診の治療は高額で、外来通院でしかできないようだ。
この患者さん(独身)のキーパーソンである妹さんに結果を伝えた。紹介は希望しなかった。病院の治療費や施設の費用は全部私が支払っています、という。これ以上費用(と手間)がかかることはしてほしくないのだった。
今回の肺炎・心不全は治っているので、明後日退院(施設に戻る)が決まっている。診断確定のため、当院で骨髄穿刺を行うことにした。骨髄像は診られないので外注になる。
昨年は内科専攻医の若い先生に2回やってもらったが、当方はしばらくしていない。多分数年ぶりの骨髄穿刺だった。
貧血は輸血をするほどではない。免疫不全なので、誤嚥も加わって肺炎になりやすい・治りにくいことにはなるか。外来で結果を見るが、経過観察するしかないようだ。古典的な治療なら安価な治療もあるにはあるが。