なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

同級生

2019年06月05日 | Weblog

 昨日地域の基幹病院呼吸器内科から91歳男性が転院してきた。認知症で精神科病院に入院していたが、重症の両側肺炎となり、そちらに転送されたという経緯だった。

 NPPVを装着して、その後に気管挿管・人工呼吸管理になった。2週間が経過して、それ以上継続するなら気管切開となるころに、抜管してNPPVに戻していた。危ない状態だったが、何とか軽快した。

 肺炎になる以前から飲み込みは悪く、喀痰吸引頻回を要するので、経口摂取はできないと判断された。経鼻胃管を挿入して、経管栄養が開始されて間がないので、注入量は1日水分量700mlと少ない。そこから胃瘻造設にすると入院日数が長くなるので、その時点での転院だった。

 まず経緯胃管を使用した経管栄養を(水分は増やして)継続することにした。診療情報提供書には、今後肺炎が発症して悪化した際には、気管挿管は行わないことになっていると記載されていた(悪化しても転院で戻さないでと)。家族(妻)に確認すると、それでいいそうだ。

 栄養を入れて頑張るという方針だが、今後療養型病床や施設にお願いするとしても、胃瘻造設が必要になる。今時施設は経鼻胃管の経管栄養をとってくれない。家族に数日経過をみて、病状が安定していれば胃瘻造設を行いたいので、考えておいて下さいと伝えた。

 

 ここまではよくある経過だが、この患者さんは医学部の同級生の父親だった。ずっと大学に勤務していたが、現在は埼玉県の病院に勤務している。転院の時には母親(患者さんの妻)や兄弟姉妹(たしか妹がいたような)に任せるのだろうと思っていたが、ちゃんと来ていた。

 大学卒業後に会ったことがあるかどうか覚えていないが、多分ない。ということは、数十年ぶりに会ったことになる。顔も体型もさほど変わらなかった(医者というより医学者の雰囲気)。

 母親も同級生であることは知っているので、当方が主治医になることを喜んでいた。ただ、経過がよければいいが、あっという間に誤嚥性肺炎が再発して、危なくなる可能性もある。

 

 

 

 

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