なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

悪寒戦慄

2024年08月07日 | 感染症

 8月2日(金)の午後に70歳代前半の男性が発熱外来を受診した。受診の1~2時間前に自宅でパソコンを打っていた時に、突然悪寒戦慄があり、ただごとではないと自分で判断した。

 自分で車を運転して病院に来て、普通に受付をしようとした。高熱があるのが分かり、急遽発熱外来の待合に移された。

 通常は発熱で受診したいという連絡があると、発熱外来に車で来てもらって専用の駐車場に止めてもらう。問診とコロナの検査から始めて、さらに院内での検査に回すという形になっている。

 高熱と悪寒戦慄以外の症状はなかった。この患者さんは知的な印象の方で、正確に症状を伝えてくれる。コロナとインフルエンザの迅速検査は両者陰性だった。呼吸器症状はないので、違うとは思っていた。

 

 普段は前立腺肥大症で泌尿器科外来に通院している。血清PSAが4~6台と軽度高値が続いていた。MRIで前立腺癌は指摘されず、癌に関しては経過観察になっている。

 胸部X線で肺炎像はなく、尿混濁もなかった。発症して間がないので、白血球6900・CRP0.9と炎症の初期像と思われる結果だった。前立腺炎を疑ったが、血清PSAは5.517とふだんと比べて有意に高いとはいえない(これも初期像?)。

 熱が上がりきって、悪寒は治まっていた。さてどうするかだが、何らかの感染症には違いない。ウイルス性とも細菌性とも決め難いが、年齢的には細菌性になる。

 その時点では入院するほどではなく、患者さんもそのつもりはなかった。アセトアミノフェン屯用で経過をみるのもあるがそれで治まるとは思えない。診断確定できないことを伝えて、血液培養2セットを提出して、抗菌薬投与で外来治療とした。(週末に高熱、悪寒戦慄があれば入院の方針)

 

 8月5日(月)に外来に来てもらったが、8月3日には解熱して悪寒戦慄はなかった。抗菌薬継続として週末再受診とした。血液培養1セットからグラム陽性桿菌が出て、コンタミのようだ。(その日は忙しくて血液培養は看護師さんに任せた)

 

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