内科の若い先生に、血液培養でカンジダが検出された患者さん(70歳代後半)がいて、と報告があった。
入院は長期になっていて、そもそもは4月に地域の基幹病院脳神経内科から脳梗塞のリハビリ目的で転院してきた。両側大脳に脳梗塞があり、血栓性脳塞栓症が疑われたが、心電図では洞調律だった。
深部静脈血栓症からの卵円孔を介した奇異性脳梗塞を疑っていたが、確定はできなかった。当院転院後も心エコーを行ったが、真空内シャントは否定的だった。
転院当初は食事摂取もできたが、その後反応が悪くなり、経口摂取は不可能になった。頭部MRI再検で梗塞巣が増加してきていた。
7月には中心静脈カテーテルを挿入(PICC)して、高カロリー輸液を行っていた。病状が安定していれば、療養型病床へ転院ということになる。
8月22日から高熱があり、24日に血液培養2セットを提出していた。(それまでも発熱が出没していたが、持続するようになった。)今週酵母様真菌が検出され、Candidaの何かだった。
PICCのカテーテルは抜去していた。菌名確定まではミカファンギンで開始していいでしょうか、ということだった。グラブラータなどでなければ効くはずだ。カテーテル抜去だけで解熱はしていた。
どこまで治療したものでしょうか、とも訊かれた。患者さんは寝たきり状態で発語もない。カテーテル関連血流感染は医原性ともいえるので、ここは治療しましょう、と答えた。培養陰性日から4週間の投与にはなる。
ミカファンギンは1瓶約5000円で、2瓶使用するので1日1万円になる。ジェネリックだとその半額くらい。