10月4日に記載したS状結腸癌の83歳男性は、3日から腹部膨満と間欠的腹痛が始まった。4日の午後に予約外で当院を受診した。
がんセンターではS状結腸癌の進行で腸閉塞になる可能性があると説明されていた。そういわれると、以前なかった便秘傾向を自覚するようになっていた。
その日がんセンターに連絡すると、まずは近医を受診するようにといわれたそうだ。近医は当院になる。
腹部が膨満して、全体的に軽度の圧痛があった。嘔気はなく、水分はとれる。聴診すると金属音が聴取された。腸閉塞を来しているようだ。
腹部単純X線では立位でニボーを認める。腸管の拡張・消化液の貯留程度を見るために、腹部CT(単純)を行った。S状結腸の口側の腸管が拡張してガス貯留が目立つ。消化液貯留はそれほどではなかった。
部位的には肛門側からのドレナージがいいのだろうと思うが、当院ではできない。(器具を取り寄せれば消化器科医がやるが、病状として当院入院にはできない)
地域医療連携室からがんセンターに診療情報提供書を送ってもらって、翌日の受診予定となった。
その日は認知症の妻がデイサービスから戻って来るので、外来での点滴もできない。がんセンター受診は、県庁所在地在住の弟が来てくれているそうだ。前回の入院時は妻をショートステイに預けていた。今回もがんセンターは入院準備をして受診するようにといってくれているので、また預けるしかないだろう。