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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

せん妄リスクのある不眠(不穏)

2022年01月19日 | Weblog

 退院サマリーは退院後2週間までに記載することになっている。それ以上過ぎると、書いてくださいという用紙が医局に来る(個人のボックスにいれるだけ)。

 大抵は退院が決まった時点で記載してしまうが、たまたま忘れてしまうことがある。1月初めに退院(転院)した認知症の88歳男性の退院サマリーが未記載と指摘された。

 10月の当直の時に、救急搬入された。家族か入浴させている時に、一過性の意識低下があったという。救急隊到着時はJCS10と報告があった。

 搬入時は閉眼していたが、呼びかけると20秒以上は開眼しているので確かにそうなる。名前は言えるが、生年月日が言えないのは意識障害ではなく、認知症の問題だった。

 バイタルサインや血液検査では問題がなかった。頭部CTで頭蓋内出血はなく、陳旧性ラクナ梗塞はあったが、新鮮な脳梗塞の有無は不明だった。入院で経過をみて(搬入時は発症2時間後)、翌日頭部MRIをみることにした。

 翌日、動いてしまってMRIは無理かと思われたが、案外普通に撮影できた。新規の脳梗塞はなかった。元気になると、簡単な会話はできた。動いてしまうので、体幹抑制となった。

 認知症で精神科病院に通院していて、リスペリドン(1mg.日)が処方されていた。家族は在宅介護はもう難しいというので、可能なら施設入所を目指すことなった。

 

 リハビリは指示が入らず、食事の時に車椅子に移乗するくらいだった。夜間の不穏で病棟看護師さんが困るので、就寝前(実際は夕食後になる)のデジレル(25mg)2錠+ロゼレム8mgである程度は落ち着いた。

 それでももう少し動かないでほしいという病棟の意見もあり、クエチアピン12.5mg錠を2錠分2で追加した。少し効いたかもしれない。(糖尿病はなかった)

 結局体幹抑制はとりにくく、施設入所は難しかった(施設では抑制できない)。通院していた市内の精神科病院は、認知症の入院はよほど困っていない難しかった。(介護者に殴り掛かるくらいでないと、急な入院はできない)

 それでも、通院していた患者ということで、依頼してみた(不穏があり、対応に苦慮していますと)。1か月弱待って転院するtことになった。

 

 最近、せん妄リスクのある患者さんにデジレルを使用するようになって、院内でも少しずつ広まってきた(他の先生も使いだした)。

 地域の基幹病院には精神科医がいて、外来はしていないので、院内のコンサルテーション業をしているらしい。せん妄・不穏の患者さんには精神科処方として、デジレル・ロゼレムに気分調整薬としてのデパケンが処方されてたりしている。また抗精神薬としては、よくロナセンテープが貼付されている。ロナセンテープ3枚/日の患者さんもいた。

 当院に転院してから覚醒が悪いので、1枚ずつはがしたりしていた。先方に入院中はかなりの大立ち回りがあって、開始されたのだろう。(内服困難で貼付剤で対応)

 

 通常は、不穏に対しては糖尿病がなければクエチアピン、糖尿病があってクエチアピンが使えない時は(やむなく)リスペリドンを使用する。

 せん妄リスクのある患者さんの不眠では、デジレルを使用する。1錠で効かない時は1時間おきに1錠ずつ追加する(3錠まで可)。(地域の基幹病院では4錠使用した患者さんもいた)

  

 以上のことは、「不眠診療ミニマムエッセンス」井上真一郎著(中外医学社)に記載されている。せん妄リスクのある患者さんの不眠・不穏に関しては、この本が最新の知識を提供していて研修医にお勧め。

 

外来・病棟で役立つ! 不眠診療ミニマムエッセンス

 

コメント
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