なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺アスペルギルス症疑い

2022年01月17日 | Weblog

 先週の金曜日に、血痰の78歳男性が外来を受診した。血痰なので呼吸器外来扱いとなった(受診時は36.6℃で発熱外来扱いにはならなかった)。

 一人暮らしの方で、姪2人が付いて来ている。1か月前から食欲不振が続いていた。4~5日前から血痰が続くようになった。地域の基幹病院を受診したというが、夜間の救急外来受診なので、止血剤のみ処方されたそうだ。画像はとっていないらしい。

 胸部X線で右肺尖から上葉にかけて、空洞性病変があり、両側肺野に粒状影が広がっている。空洞内に真菌球のような結節影があるようだ。

 呼吸器外来担当の先生(大学病院からバイト)から入院させたいと相談された。肺癌、肺結核、肺アスペルギルス症が疑われるという。アスペルギルスを一番に疑っているようだ。

 胸部CTで病変を確認することにして、喀痰抗酸菌塗抹検査を提出した。CTでは右肺尖から上葉全体に不整な空洞があり、内腔には結節様陰影があった(真菌球?)。やはり肺アスペルギルス症疑いということだった。両側肺野に粒状影が散布していて、こちらは原疾患に関連したものか、喀痰吸引の影響なのかわからない。

 とても当院で扱えるような病気でない。肺癌ではないようだが、扁平上皮癌でこのような画像を呈するだろうか。血痰といえば、結核疑いになるので、抗酸菌塗抹の結果を見ないと紹介し難い。

 提出後に検査技師さんに連絡すると、昼食後にやろうと思っていたようで、今からですという。塗抹検査の結果を見て、紹介できるかどうか決まると伝えると、今からやりますと言われた。結果は陰性。

 地域の病院呼吸器内科に連絡した。夜間に貴院を受診したようですが、とちょっとだけ言ってから、病状と検査結果をお伝えした。幸い引き受けてもらえた。酸素飽和度は安静時には97%だが、動くと息切れがする。先方でも(家族の車より)救急搬送の方が都合がいいようだ。

 体温を再検したところ38.4℃に上昇していた。新型コロナとインフルエンザの迅速試験も追加してから(陰性)、救急搬送した。

 

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