なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

胃癌の緩和的放射線療法

2022年01月07日 | Weblog

 木曜日に、地域の基幹病院消化器内科から胃癌の95歳女性が転院してきた。

 隣町の診療所から貧血で紹介され、上部消化管内視鏡検査で、胃体上部から前庭部まで3/4周の広範な潰瘍性病変が見つかった。広範な2型進行胃癌となっていたが、組織型がporなのでほとんどスキルス胃癌?。

 肝転移などの転移がなく、消化器内科ではバイパス術を外科に提案したが、外科では受けなかったそうだ。まあ普通はそうだろう。

 昨年末に当院に転院依頼の打診があり、緩和ケアでよければすぐに受け入れると返事をしたが、止血目的で放射線療法が始まったので年明けでいいと言われていた。

 内視鏡再検で胃内の食残の量が減少したと記載されていた。以前にも進行胃癌に対して放射線療法を行った患者さんがいたはずだが、詳細は覚えていない。

 進行胃癌に対する緩和的放射線療法は、止血目的、狭窄解除目的で行われるようだ。どの程度一般的な治療なのかわからない。

 転院してくると、患者さんは案外元気だった。流動食から五分粥になっていて、点滴は直近ではしていなかったそうだ。看護記録にも記載がないので(してないので記載しなかったのだろうが)、患者さん本人に確認した。

 緩和ケアだと、できるだけ自宅で過ごす時間を作るのが目標になる。しかし家族(息子夫婦と暮らしていて、嫁が来ていた)としては、お店をやっているので、病院に入院してもらっている方がいいという(予後1か月と言われたから、と理解していた)。

 

 先方の病院では、患者さんにも胃癌であることは伝えてあるが、果たしてどう受け止めているかわからない。改めて、あなたは胃癌です、予後1か月です、というのも変な気がした。病院で療養しましょう、でいいのではないか。

 今はコロナの問題で入院患者さんの外出外泊は禁止されている。もし患者さんから退院希望があれば、家族の都合がいい時に1週間だけ退院にして、再入院の予約を入れるような形になるか。

 

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