なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

新型コロナの入院

2022年01月27日 | Weblog

 昨日は、久しぶりにCOVID-19の患者さんが入院した。90歳女性で軽度の認知症があるが、身の回りのことはできるようだ。

 娘夫婦と三人暮らしだが、娘さんがまず罹患して、うつったらしい。娘さん(といっても60歳代)は高次脳機能障害のある夫の介護もしているので、自宅静養となっていた。夫は罹患していないのだろうか。

 発熱はなく、のどの違和感と少し痰が(のどに)からむそうだ。一昨日のPCR検査の結果が翌日に陽性となった。症状を確認したら、そういえばそんな症状があると言ったという。

 血液検査で炎症反応は陰性で、Dダイマー・血清フェリチンは正常域だった(LDHはわずかに上昇)。胸部CTで新型コロナに特徴的な肺炎像はなかった。

 ほぼ上気道炎様の症状で、オミクロン株なのかもしれない(発症者の急増で、全例そこまで検査するかどうかわからない)。このまま無事に退院基準を満たすまで経過してほしい。

 地域の基幹病院にはすでに8名が入院していて、当院への入院依頼がなかったのが、不思議だった(ベット数に合わせてこれまで2:1くらいで対応していた)。今週は後期高齢者や基礎疾患ある前期高齢者の入院が続きそうだ。

 基幹病院では基本的に医師はコロナの患者さんの病室には入らないそうだ。バイタルサインをみて遠隔操作で指示を出している。当院は普通に病室で診察している。

 

 デルタ株と比較してオミクロン株では「のどの痛み」が多く、「嗅覚・味覚異常」が少ないのが特徴。(忽那先生による)

 保健所依頼のPCR検査で陽性になった患者さんの症状からみても、確かにそうだった。といっても、溶連菌やアデノウイルスのようなはっきりした痛みではなく、「のどの違和感」・「のどのイガイガ感」くらいだ。

 

デルタ株と比較した、オミクロン株の感染者の症状の比較(UK Health Security Agency. technical briefing 34より)
デルタ株と比較した、オミクロン株の感染者の症状の比較(UK Health Security Agency. technical briefing 34より)

 

 今週は連日保健所から依頼された濃厚接触者のPCR検査をしている。当院は基本的に当方がひとりでやっているので、30数名までにしてもらっている。検査と書類書きで約1時間かかる。それ以上の時間をかけると、通常の仕事ができなくなる(発熱外来、救急対応など)。

 この時期は寒くてドライブスルー方式で行うのはけっこうつらい(月曜は冷たい風が吹き荒れていた)。手袋は二重にしているが、そのくらいの数でも中の手袋が破れてしまったりする(何度もひっぱられるからだろう)。ガウンは首が開いてスカスカなので、タオルを巻くことにした。

 室内に入って書類の記載をしようとコンピュータに向かうと、手がかじかんで打てず、しばらくさすったりしている。

 地域の基幹病院では100名を超える人数のPCR検査をしているそうだ。医師3名が交代で検査していると聞いた。午後に1時間交代で、30数人ずつを検査しているのだろう。

 今週は当院の分でも30数名のPCR検査で毎日3~5名ずつPCR検査陽性者が出ている。小児や若年者が多い。水泳教室で発生して数か所の小学校の児童から陽性者が出ていた。クラス丸ごと検査になってしまう。

 右肩上がりで罹患者が増加して、おそらくまだピークには達していない。第6波は今月から来月まで続くのだろう。

 

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