なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

いつまでPCR陽性

2021年05月29日 | Weblog

 現在当院の感染病棟には、COVID-19の84歳女性・86歳女性・86歳男性・94歳男性が入院している。

 84歳女性は、隣の町にある病院が経営しているグループホームに入所していた。そこの施設職員がCOVID-19に感染して、施設入所者に広がりクラスター発生となった。

 4月29日に発熱があり、その病院で新型コロナ抗原検査を行って陽性と判明した。(PCR検査で確認した方がいいかと思ったが、クラスター発生もあるので、保健所は診断確定としていた)

 4月30日に当院感染病棟に入院した。38℃の発熱もあり、酸素吸入2L/分(その後3L/分)を要した。翌日の5月1日に解熱して、肺炎像もわずかだったので、そのまま経過をみられるかと思われた。

 5月2日から再度発熱して、連日続いた。5月4日に、発症して6日目ではあったが、デキサメサゾンを開始した。翌5日には解熱して、酸素吸入も1L/分に減量できて、その後中止できた。

 発症からの日数では退院基準を満たしたが、施設に戻すということもあり、20日目にPCR検査を行うと(陰性化確認のため)、陽性と出た。

 しなければよかったと思ったが、一度やってしまうとPCR陽性者になってしまう。27日にもPCR検査を行って、わずかに陽性となった。そして30日目に3度目のPCR検査を行って陰性と出た。

 生きたウイルスがいるとは思えないので、(死んだウイルスの)遺残した遺伝子を検出しているだけなのだろう。

 昨年の春ごろに、PCR検査が陰性化しないと退院できないことになっていて、すっかり良くなった患者さんを退院させられず、ベットが空かないという時期があった。

 1年遅れてそれを実証した形になってしまった。退院は日数で決めて、余計なPCR検査はしない方がいい。

 

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