なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

前回はモラキセラ

2021年05月20日 | Weblog

 月曜日に内科クリニックから肺炎の85歳男性が紹介されてきた。

 2年前にも肺炎で入院していて、その時は喀痰培養でモラキセラMoraxella catarrhalisが検出されていた。細菌性肺炎の3大原因だが、喀痰培養で検出されることは少ない。70歳くらいまでの喫煙歴があり、COPDだと検出されてもおかしくない菌種だろうか。

 胸部X線・CTでは、主に右上葉と左下葉に浸潤影を認めた。最初喀痰が出ないと言っていたが、出る時は検査に出すのでと説明していると、ゲホッと咳が出て黄色のいい喀痰が取れた。

 

 肺炎球菌尿中抗原は陰性だった(レジオネラも)。今回検出されるのは同じモラキセラだろうか。酸素飽和度90%前後(室内気)で、酸素吸入2L/分で開始した。

 入院後は解熱して、酸素吸入1L/分に減量している。炎症反応も軽減してきた。

 

 今日呼吸器外来に大学病院から来ている先生に、昨日地域の基幹病院呼吸器内科に搬送して患者さんの画像を見てもらった。心不全ではないですか、ということだった。確かに両側胸水貯留もあり、肺門部から広がる陰影に見える。

 循環器内科もあるので、適切な診療科に回してくれるでしょう、という。専門科のそろった病院だと、肺炎・心不全で両者併発の時に、循環器内科の扱いになるか、呼吸器内科の扱いになるかという問題がある。(当院は単純に、全部内科になる)

 昨日入院した新型コロナの86歳男性のことも相談した。できるだけ応援(バイト)で来ている専門医の先生方に相談して診療にあたるしかない。

 

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