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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性間質性肺炎?

2021年05月19日 | Weblog

 内科の若い先生が診ていた患者さんの病状が悪化した。

 1週間前にレスパイト入院(家族の介護疲れ対応の短期入院)した93歳女性だった。入院してみると、食欲不振があり、炎症反応の軽度上昇と低ナトリウム血症(124)があった。

 レスパイト入院から通常の一般入院に切り替えた。胸部CTで両側肺の背側に陰影があり、肺炎?としてセフトリアキソンを投与して、ナトリウムを補正した。

 低ナトリウム血症の軽快とともに食事摂取が少しできるようになってきた。ところが、酸素飽和度低下と高熱が出現した。胸部X線(ポータブル)を撮影してすりガラス様の陰影が増加していた。

 

 この患者さんは地域の基幹病院内科にネフローゼ症候群で通院している。施設宛の診療情報提供書を入院時に施設で持たせていた。詳細がわからないので、問い合わせて当院宛に診療情報提供書をもらったそうだ。

 それによるとネフローゼ症候群としてプレドニゾロン50mg/日で治療を開始していた。血清クレアチニンの上昇を認め、シクロスポリンが追加されていた。

 ネフローゼ症候群を来した原疾患の記載はないが、急速進行性糸球体腎炎なのだろうか。検査結果ではANCA(MPO、PR3はともに)陰性だった。現在の処方はネオーラル(シクロスポリン)75mg/日、プレドニゾロン20mg/日になっていた。

 

 胸部CTをみると、両側肺野にすりガラス陰影が広がっていた。気管支血管束に沿った分布で、牽引性気管支拡張もある。LDHが入院時も441と高いが、618とさらに上昇していた。

 急性間質性肺炎疑いとして、基幹病院の呼吸器内科に連絡して、救急搬送となった。シクロスポリンの薬剤性肺炎でなければ、原疾患に伴う肺病変なのだろうか。(これは当院では対応できない)

 

コメント (2)
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