なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

COVID-19~2日間の変化

2021年05月23日 | Weblog

 5月10日から5月19日まで当院感染病棟に入院した、64歳女性の胸部CT画像の変化。

 5月1日から咳が続き、5月5日から発熱があった。5月8日(土)に近医を受診して、肺炎として地域の基幹病院呼吸器内科に入院した。新型コロナの抗原検査は陰性だったが、胸部CTで両側肺野にすりガラス陰影が多発していた。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)疑似患者として入院した。後で聞いた話では、院内では新型コロナの検査はできないので、保健所のPCR検査結果待ちになったそうだ。

 5月10日(月)にPCR検査陽性と判明して診断が確定したが、感染病棟が満床だった。夕方になって、当院の感染病棟の入院依頼があり、救急搬送された(時間外になっていた)。

 先方の病院に入院する前に解熱していたが、入院日の1日だけ発熱があり、その後はまた解熱していた。当院に入院した時の症状は、咳がひどいということだった。酸素吸入2L/分で転院したので継続とした。

 入院時に胸部CTを撮影してから入院することになっているので(急な搬送で画像添付がなかった)、型通りCTを行った。両側肺野にすりガラス陰影を認めた。

 

 送られてきた検査結果は5月8日と10日の結果で、比べると改善していた。8日は白血球6900(リンパ球10.0%)・CRP4.6で、LDH401。10日は白血球5500(リンパ球15.0%と上昇=改善)・CRP1.9で、LDH384。2日の経過で改善している。

 電話した時には紹介医は帰っていて、連絡がつかなかった。CT画像は気になるが、軽快しているようなので、デキサメサゾンは使用せずに翌日相談することにした。

 翌朝に連絡すると、症状が軽快しているので、そのまま経過観察してもいいと思うということだった。後から送られてきたCT画像を比較すると、2日の経過だが陰影も改善していた。12日には酸素吸入1L/分となり、15日には酸素吸入を中止できた。

 先方の病院では抗菌薬の点滴静注をしていたが、当院では何もしない(鎮咳剤と去痰剤内服のみで点滴なし)ので、患者さんは不審に思ったようだ。(呼吸器内科医と相談して自然経過で回復が見込めると説明した)

 改めて画像を見ると(検査結果も)、2日でこれだけ軽快するということは、2日で増悪することもあるということになる。

 

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