なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

カンジダ血症

2021年05月02日 | Weblog

 2週間前に地域の基幹病院呼吸器内科から81歳男性が転院していた。右膿胸治療後で胸腔ドレーンはすでに抜去されていた。

 食事摂取が進まず、しばらく入院継続が必要だった。新型コロナの入院治療が忙しく、内科の若い先生に担当をお願いしていた。

 右内頚静脈からCVカテーテルが挿入されていた。嚥下訓練は嚥下調整食3を昼のみ半分くらい摂取するくらいで、点滴は継続されていた。

 先週発熱があり、血液培養2セットからカンジダが検出されて、カテーテル関連血流感染が疑われた。CVカテーテルが抜去されて、カテーテル先端の培養からもカンジダが検出された。

 抗真菌薬のミカファンギンが開始された。末梢静脈からの点滴が困難で、右大腿静脈からカテーテルが再挿となった。

 当院ではカンジダとまでしか同定できないので、種別確定のため外注検査に提出した。アルビカンス・クルーセイ・グラブラータ・パラプシローシスなどはミカファンギンで治療できるが、グリエルマンディだと耐性も多い。

 カンジダ血症が起きると、眼内炎・骨髄炎・敗血症性血栓性静脈炎・感染性心内膜炎などの合併症の検索を要する。

 最近は病院規模の縮小に伴い、患者数・医師数も減少して、血液培養の提出数が減少している(半減くらい)。血液培養陽性の症例が出ることは好ましくないが、AST会議のためには貴重な症例となる。

 

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