なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

膵性糖尿病

2019年08月24日 | Weblog

 先週の日曜日に62歳女性が急性腎盂腎炎で入院していた。当番だった内科の先生が主治医になった。名前に聞き覚えがあり、確認してみると、2回入院で診ていたはずだが、内容はあまり覚えていない。簡単に言うと、既往歴は「糖尿病治療中断」だった。

 9年前に膝痛で整形外科を受診して、膝半月板損傷で手術予定となった。術前検査で糖尿病と判明して、内科に治療が依頼された。HbA1cが10.4%だった。肥満もあるが、普通の糖尿病ではなかった。膵臓全体に石灰化がある。アルコール多飲があり、アルコール性と思われた。(20歳の時に背部痛で入院したということで、膵炎の症状とすれば、特発性も否定はできない。)

 抗GAD抗体は陰性で、Cペプチド(空腹時)1.02ng/mLで少な目だが、インスリン依存状態ではない。インスリン強化療法で、血糖は改善して外来治療になった。

 翌年に外来での血糖コントロールが不良で、糖尿病教育入院になっていた。インスリンを増量したが、膵性糖尿病は夜間低血糖が危惧されるので(グルカゴンも低下)、持効型は少な目にした。退院後すぐに治療を中断していた。

 2年前に地域の基幹病院に膿胸で入院していて、糖尿病の治療も再開されて、当院の糖尿病外来(大学病院からバイト)に治療継続のため紹介になった。しかし、2回外来受診して治療中断している。

 そして今回だが、HbA1c8.5%と、2年前に中断する前と同程度だった。案外悪くなっていないものだ。ただ、合併症は進行しているということなのだろう。膀胱の拡張~両側水腎症を認めた。自律神経障害としての神経因性膀胱をきたしている。泌尿器科外来(当院は非常勤のみ)に紹介になった。

 入院後、抗菌薬投与(セフトリアキソン)で腎盂腎炎は軽快している。退院後に糖尿病の治療は継続できるのだろうか。

 

 

 

 

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