なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

レジオネラ肺炎

2019年08月22日 | Weblog

 火曜日の午後8時過ぎに60歳男性が救急外来を受診した。当直は外科医(大学病院からバイト)だった。血圧128/61・脈拍100回/分・体温39.1℃・酸素飽和度95%(室内気)で高熱が目立った。

 日中に草刈りをしていた。夕方になって気持ちが悪くなって自宅で休んでいた。会社の人が心配して見にいって、病院に連れてきた。

 当直医は最初熱中症を考えたらしいが、血液検査で白血球22000・CRP20.2と著明な炎症反応上昇があった。感染巣の検索として、胸部X線を行って、右上葉に浸潤影を認めた。内科当番の若い先生(地域医療研修の内科専攻医)に連絡して、肺炎として入院とした。抗菌薬はゾシンが1回点滴静注された。

 水曜日の朝、前日の救急外来受診者をチェックした時に、血液検査の低ナトリウム血症(129)が気になった。肝機能検査はγ-GTPが92と軽度上昇しているが、他は正常域だった(けっこう飲酒するらしい)。CKは検査されていなかった(後で追加して正常域)。喀痰は出なかったようだ。

 ちょっとレジオネラが気になったので、レジオネラと肺炎球菌の迅速検査とCKの追加をしてもらおうと思った。午前8時過ぎに施設から救急搬入された肺炎・心不全の94歳男性を診てほしいと、当直医から引き継いだ外科医に依頼されたのと、その後に内科再来もあったので、午前中に連絡できなかった。

 感染管理ナースから、その患者さんはレジオネラ肺炎だったと報告が来た。担当の若い先生に訊くと、頭痛を強く訴えるのが気になったので尿中レジオネラ抗原を出したという(尿中肺炎球菌抗原は陰性)。

 この患者さんは特に、温泉に行ったとか、循環式のお風呂を使っているわけではない。数日前に会社の、当日は自宅の水撒きと草刈りをしているが、関係があるのか。

 抗菌薬はレボフロキサシン(クラビット500mg点滴静注)に変更した。当院で治療継続で診れそうだ。

 

 

 当院のレジオネラ試験は、肺炎球菌と同時にできるキットを使用している。当院のレジオネラ検査が陰性で、搬送した地域の基幹病院の検査でレジオネラ陽性となったことがある。最近はレジオネラ血清1型以外も検出できるキットも出ている。細菌検査室の技師さんも気にしていたので(他社からこのキットでは陽性に出にくいでしょうと言われた)、レジオネラの検査キットを調べてもらうことにした。

 

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