なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

小脳腫瘍

2019年08月26日 | Weblog

 土曜日の内科日直の時に、めまい・ふらつきが続く72歳男性を紹介したい、と内科クリニックから連絡が入った。

 10日前ごろからふらつくようになり、5日後に高血圧症で通院しているそのクリニックを受診した。注射(メイロン?)とめまいの薬(メリスロン)が処方されていた。症状が続くので(少しずつ進行)、その日再受診していた。

 さっそく来てもらったが、家族の車で来るものと思っていたが、一人でタクシーで来院した。意識は清明で、問診にはハキハキと答えた。構語障害(嚥下障害も)はない。

 脱力はなく歩行はできるが、たしかにふらつく。足を揃えて立つとふらついてしまう。バランスをとるために足を広げて歩いて(wide-based gait)、それでも左右に揺れる(酩酊様)。これは本物だ。

 小脳梗塞を疑って、頭部MRI検査を行った。拡散強調画像で、新規の脳梗塞はなかった。FLAIRで右小脳(小脳脚部)に高信号の腫瘤を認めた。第四脳室を軽度に圧排している。順番が逆になったが、頭部CTも行うと、低吸収に描出された。小脳出血でも、新規の小脳梗塞でもなく、腫瘍と判断された。

 さてどうしようか、だった。脳血管障害でなければ緊急性はないのかもしれない。週明けにがんセンターに紹介でいいのか。症状はしだいに進行しているようで気になる。

 地域の基幹病院は(たぶん)脳神経の当番の先生が誰か出ているはずだ。内科系の日直先生に繋いでもらって、脳神経の先生に診ていただくことはできるでしょうか、と訊いてみた。できます、ということで紹介させてもらった。

 救急搬送するほどではないが、一人でタクシーでやるわけにもいかない。奥さんは友人と出かけていたが、兄弟の人が車で病院に来れるというので、いっしょに受診してもらうことになった。

 

 

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