8月11日(日)に内科医院から鼠径ヘルニア疑いの75歳女性が当院救急外来(外科)に紹介された。外科は大学病院からバイトで来てもらっている若い先生だった。
鼠径部に腫瘤を認めて、用手還納はできなかった。鼠径靭帯の下から脱出しているため、大腿ヘルニア嵌頓が疑われた。腹部造影CTを行って、左大腿ヘルニア嵌頓と確定診断された。外科の常勤医が診察して、手術になった。
外科医はすぐわかるが、内科はヘルニアは苦手で、鼠径ヘルニアか大腿ヘルニアか自信がない。
CTを見せてもらうと、冠状断で鼠径靭帯の後方(背側)から腸管が出ているので、大腿ヘルニアで間違いない(最初の冠状断が前側で、次の冠状断がそのすぐ後方)。水平断面で大腿静脈の近傍内側から出ていて、大腿静脈はやや圧迫されているので、大腿管からの脱出とわかる。(鼠径ヘルニアは鼠径靭帯の前方(腹側)から腸管が脱出する)
初版から購入している「ここまでわかる急性腹症のCT」に記載あり。良書です。