なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

小脳梗塞

2019年06月13日 | Weblog

 86歳男性が月曜日早朝の起床時にめまい・嘔吐があり、救急搬入された。日曜日の当直だった外科医(大学病院からのバイト)が対応して、カルテ記載を見ると良性発作性頭位めまい(BPPV)を想定していたようだ。

 頭部MRIの結果は小脳脳幹部梗塞だった。内科クリニックに心房細動で通院しているが、抗凝固薬の処方はなかった。MRIで椎骨脳底動脈には問題(狭窄)はなかった。

 内科の若い先生地域医療研修の内科専攻医)が引きついでくれた。ちょうど当院の神経内科医(ひとりだけ)が休みだったのと、小脳脳幹部なので、急性期は専門医のそろった地域の基幹病院に送ることになった。

 当院としては1週間後にリハビリ目的で戻ってくる予定(?)だった。ベット事情が厳しいらしく、火曜日には進行しないので当院に戻したいという連絡が来て、水曜日に戻ってきた。抗凝固薬(エリキュース)が処方されていた。このまま進行せず、リハビリに移行したいものだ。

 かなり前にクリニック(今の先生の前)から循環器科の専門病院の紹介されて精査していた。大動脈弁膜症(ASR)があり、弁置換術について検討されたことがあるそうだ。ここまで無事に過ごせたのでしないで正解だったか。

 MRIの梗塞巣から見ると、これは上小脳動脈領域?。

 

 誤嚥性肺炎もあるが、実質的に老衰で亡くなった90歳代男性の奥さんが挨拶に来ていた。医学部の献体に登録していたので、家で簡易的な葬儀をしてすぐに遺体は大学に移送されていた。「この次は私が入院することになるので、その時はよろしく」と言われた。入院中、「主人は気難しい人だが、先生のことは気に入っているみだいだ」と奥さんに言われたが、もう発語もない状態だったので実際はわからない。

 

 

 

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