なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

最後に難問

2019年06月30日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ていた。昨夜午後10時に心窩部痛が発症して、嘔気・嘔吐と軟便が3~4回あったという訴えで、68歳女性が受診した。

 受診時には心窩部痛は治まっているが、胸骨裏面の違和感があるという。バイタルはまったく問題なかった。意識清明で冷汗もなく重症肝はなかった。症状からは胃腸の問題として受診したらしい。

 心電図でⅡ・Ⅲ・aVFに異常Q波・ST上昇様の変化を認めた。血液検査でCK(CK-MB)・AST・LDHがすでに上昇していて、トロポニンが著増していた。急性心筋梗塞として地域の基幹病院に搬送させてもらった。

 

 81歳男性は、何度目かになる虚血性腸炎で昨日の救急外来を受診していた。量は少ないが血便が続いて、今日も受診した。貧血はなく、CTでS状結腸の壁肥厚を認めた。バイタルは問題ない。これまでの虚血性腸炎と比較して、軽度というので経過をみて明日通院している消化器科の外来に来てもらうことにした。(これまで虚血性腸炎では入院したことがない)

 94歳の女性は、今年の初めに気管支喘息発作で入院して、その後施設に入所していた。昨夜から咳・喘鳴が続いて、入院希望で連れてこられた。肥満があり、ふだんでも労作時に息が切れる。入所後もさっぱりやせていなかった。1週間の見込みで入院とした。前回もそうだったが、症状が軽快するまで動くのが大変なので、自ら尿カテーテル留置を希望した。

 97歳男性が風呂掃除をしていて、脱力で起き上がれなくなった。同居の妻が息子などに連絡してようとしたが、なかかなできず、結局3~4時間そのままになって低体温も併発してから救急搬入された。

 発症は不明だが、おそらく骨格筋の炎症を来す疾患があったらしい。原因を特定できるかどうかわからないが、経過をみることにした。以前にも同様の高齢者がいて、多発筋炎の診断が確定しなかたが、ステロイドで軽快した方がいた。CTで膵臓に腫瘍もありそうで、なかなか難しい症例だった。

 

 

 

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