なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

潅流画像(perfusion-weighed image:PWI)

2019年06月01日 | Weblog

 昨日の午前中に医局のラウンジで神経内科医と話をしていたが、「若い先生がいるといいねえ」と言う。月曜日に脳梗塞の患者さんが紹介されてきて、内科専攻医(地域医療研修で来ている)が診察した。「diffusion perfusion ミスマッチ(DMI/PWI ミスマッチ)を認めて、血管内外科のある専門病院に転送したそうだ。

 MRIの還流画像(perfusion-weighed image:PWI)は初めて聞く用語だった。頭部画像診断を少し勉強しようと思って購入していた「画像診断から絞り込む!頭部画像診断 やさしくスッキリ教えます」山田恵編集(このタイトルはいかにも羊土社)を読んでみた。

 脳梗塞病変部には、中心部の虚血性変化を呈する梗塞部の核(コア)と、辺縁部の血流の再開通により梗塞を免れる可逆性の虚血性変化を呈する虚血ペナンブラがある。前者は拡散強調画像(DWI)で描出され、両者は潅流画像(PWI)で描出され、虚血ペナンブラは両者の虚血域の差(DWI/PWI ミスマッチ)として評価される。

 DWI/PWI ミスマッチがある症例は再開通療法の予後がいい。今回の症例はt-PAの適応はないが、血管内治療の適応があるかどうかだった。

 潅流画像PWIには、造影剤を使用しないarterial spin labeling(ASL)法とdynamic susceptibility contrast(DSC)があるが、当院で行ったのは前者だそうだ。

 MRIについて放射線技師学会で何度か発表している技師さんに聞くと、今のMRI装置になってから潅流画像PWIは緊急で撮影できるようになっていて、オーダーがあれば5分追加になるだけで撮影できます、ということだった。

 MRAでICAやMCAの閉塞があれば、拡散強調画像の描出域がわずかでも、その後に梗塞域が拡大してくるので、専門病院に搬送する。ただ患者さんが動いてしまうとMRAがきれいに撮影できないので、潅流画像が使えますという。

 MRIの潅流画像PWIを初めて知ったという話。当院は検査技師さんが優秀だが、医局が(当方が)追い付いていないということがある。

画像所見から絞り込む! 頭部画像診断やさしくスッキリ教えます

 

 

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